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導入事例

革新的な新規事業を、研究所から。 「Aconnect」で、質も量も妥協しないアイデア創出を実現

古野電気株式会社様

舶用電子機器および産業用電子機器の製造販売

【取材にご協力いただいた方】
古野電気株式会社
技術研究所 第2研究部 春岡 正起 様
技術研究所 第2研究部 電波応用研究室 箕輪 昌裕 様
技術研究所 第2研究部 レーダー研究室 川村 松吉 様


魚群探知機を世界で初めて実用化し、独自の超音波技術や電波技術で舶用電子機器分野をリードしてきた古野電気株式会社。現在は、海洋で培ったコア技術を陸上分野にも展開し、「新たな価値創造」を目指すFURUNO GLOBAL VISION "NAVI NEXT 2030"を掲げ、新規事業創出に注力しています。その重要な役割を担う技術研究所では、アイデア創出の活性化と研究者間の連携強化を目的にAconnectを導入しました。 今回は、同研究所 第2研究部の春岡 正起様、箕輪 昌裕様、川村 松吉様に、Aconnectをどのようにご活用いただいているのか、お話を伺いました。


新規事業比率30%を目指し「Seed Lab」が始動

─はじめに、貴社の事業内容と技術研究所の役割についてお聞かせください。

春岡様


春岡様: 当社は1948年に世界で初めて魚群探知機を実用化し、以来、舶用電子機器分野において、独自の超音波技術や電波技術、通信技術などを基盤に多くの製品を提供し、グローバルに事業を展開してきました。近年は、これらのコア技術を応用し、ヘルスケアや通信、GNSS ソリューション、防災・監視ソリューションといった陸上分野へも事業を拡大しています。現在、会社としては長期ビジョン「NAVI NEXT 2030」を掲げ、2030年までに新規事業比率30%達成という目標を掲げています。私たちが所属する技術研究所は、既存事業を支える基盤技術の革新に加え、新技術の獲得や新たな価値創造という、二つの役割を担っています。

箕輪様: こうした中で、新規事業創出をより強化していくことを目的に、有志による「Seed Lab」という活動を2024年から開始しました。同時期に、アイデアの事業化検証や推進を専門に行う「ビジネスラボ」という組織も会社として設立され、新規事業創出に取り組む体制が整いつつあります。


アイデア不足と提案時に至るまでの高い壁

ーAconnect導入前は、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?

春岡様: 新規事業を生み出す上で、最新の技術動向や市場動向は把握しておかなければいけません。しかし、これまでの情報収集は個人任せ、主にWeb検索などで行っており、非常に非効率でした。

川村様: 私自身も、得られる情報が社内文書に偏ってしまったり、Web検索で新しい情報を探すにも手間や時間がかかったりと、情報収集自体にハードルの高さを感じていました。

春岡様: 情報共有についても課題がありましたね。これまでは一部のメンバーがチャットやメールで発信してはいましたが、どうしてもその内容は発信者の専門性に偏りがちでした。また、少人数で進める研究テーマも多く、「隣の人が何をやっているか分からない」といった状況もありましたね。

箕輪様: このように、個人の熱意や興味関心に依存する部分が大きく、会社として継続的にアイデアを生み出す仕組みが十分ではなかったと感じています。従来の企画書を書いて役員に説明し承認を得る……という提案プロセスは、研究者にとってハードルが高く、年に1件か2件提案が出てくるかどうか、という状況でした。

春岡様: そもそも提案の前段階である「アイデアの数」が圧倒的に足りていませんでしたよね。それに加えて、アイデアを出しても、それを推進するためのリソースがなかなか割り当てられにくい、という状況もあったように思います。また繰り返し事業性について問われる中で、技術者の提案への意欲が削がれてしまう、といった側面もあったのではないでしょうか。


思い描いていた情報収集・共有を実現できると感じ、Aconnectを導入

ー様々な課題があった中で、Aconnect導入に至った決め手は何だったのでしょうか。

春岡様: 広範な情報ソースからAIが自分に必要な情報をレコメンドしてくれる点、そしてそれを簡単に組織内で共有できる機能に、「これだ!」と直感的に感じました。まさに我々が抱えていた課題を解決してくれるツールだと思いました。また、他の大手メーカーさんが既に導入されていることを知り、我々もこうしたツールを活用しないと時代に乗り遅れてしまう、という危機感も導入を後押ししました。

箕輪様


箕輪様: 私はユーザー視点として、ちょうど立ち上げを構想していた「Seed Lab」の活動と親和性が高いと感じました。ニュースが分かりやすくリスト表示される点、AIが自動で学習してくれる点、そしてグループ内でマークを共有し、それがコミュニケーションのきっかけになる点などが、「Seed Lab」で目指したい情報共有やアイデア創出の形にぴったりだと思ったのです。

川村様: 私も現場の一人として、毎日メールで関心のある情報が配信される手軽さや、記事にマークを付けるだけでAIの学習・情報の蓄積・他者への共有が同時に行える効率性は大きな魅力でした。また、同僚や上司がどんなニュースに関心を持っているかを知ることができ、要約機能を使って知らない分野の知識を短時間で習得できる点にも期待しました。


チームの創造力を引き出すAconnectの活用方法

ー現在、Aconnectをどのように活用されていますか?

箕輪様: やはり中心となっているのは「Seed Lab」での活用です。「Seed Lab」参加メンバーでAconnect上にグループを作成し、各自が関心のあるニュースにマークを付けたり、コメント機能での簡単な意見交換を行ったりしています。さらに、2週間に1回「アイデア創出会」というミーティングを実施し、各自がAconnectでマークしたニュースの中から特に気になったものを持ち寄り、「なぜこの記事が面白いと思ったか」などを話し合い、議論を深めています。活動開始当初は自由なアイデア出しを重視していましたが、最近では活動開始時に「ドローン」や「DX/GX」といったテーマを設定し、ある程度議論の方向性を定めてから情報収集や議論を行うように工夫しています。

春岡様: 「Seed Lab」以外では、私を含め多くのメンバーがメールで配信されるニュースをチェックしています。個人的には、他のメンバーがマークした情報を優先的に見ることで、チーム内の関心事を把握するのに役立てています。

川村様: 私は情報収集に加えて、要約機能を使って馴染みのない分野の動向を把握したり、AI壁打ち機能を使って自分のアイデアを深掘りしたりすることにも活用しています。


量と質の両立を実現する、アイデア創出の好循環

ーAconnect導入によって、どのような成果や変化がありましたか?

箕輪様: 最も顕著な成果としては、私が推進する「Seed Lab」活動ですね。8名のメンバーで、約800件のマーク、約30件のアイデアシート創出を1年間で実現しました。これは従来と比較して飛躍的な増加です。単にアイデアシートの数が増えただけでなく、その背景にある約20倍の情報閲覧・マーク活動、つまりアイデア創出のプロセス自体が見える化された点も非常に重要だと感じています。 加えて、「Seed Lab」から出てくるアイデアは、事業化を担うビジネスラボからも「質が高い」と評価してもらっていますね。

川村様

川村様: そうした環境の変化もあってか、私自身、アイデアを出すことに対する心理的なハードルが下がったように感じています。また、Aconnectを使うことで情報収集が習慣化し、インプットする情報の量が格段に増えました。その結果、たくさんの情報の中から重要なニュースを見抜く目利き力も上がってきたと実感しています。

春岡様: 私も、日常的に多様な外部情報に自然と触れる機会が増えたことで、個人の思考が活性化され、これまで気づかなかったような新しいアイデアや視点が自然と生まれてくるようになりました。さらにコミュニケーション面では、Aconnectを通じて、他メンバーがどのような情報に関心を持っているかが分かるようになり、チームを超えた理解が進みました。これまで接点がなかったメンバー同士が、Aconnect上の活動(マークした記事など)をきっかけに繋がり、新たな発想が生まれるといったケースも出てきています。

川村様: 私としても、その繋がりは実感しています。導入前は専門外の分野に関する議論には参加しづらいと感じていましたが、Aconnectで他メンバーがマークしている記事などを見ることで、その分野の背景知識を少しずつ得ることができ、徐々に議論に参加できるようになりました。これがコミュニケーションのきっかけ作りにも繋がっています。

春岡様:こうした横の繋がりが強化されることは、会社全体で取り組んでいるエンゲージメント向上にも繋がっていくと期待しています。また、若手研究者が多様な情報に触れ、他者とのコミュニケーションを通じて学びを得る機会が増えることは、人材育成の観点からも非常に有益だと感じています。


「Seed Lab」が新規事業の源泉になることを目指して

ー今後の展望やAconnectへの期待についてお聞かせください。

箕輪様: 将来的には「Seed Lab」活動から生まれたアイデアの中から、毎年いくつかはビジネスラボと連携して役員提案まで繋げ、事業化まで実現できれば、と考えています。また、他部署のメンバーも巻き込んで、部門横断的な活動にも挑戦してみたいですね。

春岡様: 今後は、「Seed Lab」で創出されたアイデアを仮説検証し、事業化のステップに進めていくフェーズになります。そのプロセスにおいて、Aconnectをどのように活用していくかは模索していきたいです。 Aconnectの活用範囲については、現在は技術研究所が中心ですが、まずは我々の部門で成功事例をしっかりと積み上げ、将来的には営業部門や他の事業部など、全社に展開し、より大きな情報共有基盤として活用していきたいと考えています。そのためにも、コメント機能の活用などを促して、より活発な情報共有やコミュニケーションを研究所内で実現していくことが次のステップだと考えています。


ー最後に、同様の課題を抱える企業へメッセージをお願いします。

川村様: Aconnectは単なる情報検索ツールではありません。情報収集、情報共有、情報の整理・分析といった機能がこれ一つで実現でき、新規事業創出にも繋がる可能性を秘めていると思います。

箕輪様: そうですね。手軽に、効率よくニュースを閲覧したい、収集したい、そしてそれを組織内で共有したい、と考えている方々にはぴったりなツールなのではないでしょうか。

※記事内容および、ご所属等は取材当時のものです。



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