【取材にご協力いただいた方】
株式会社レゾナック
研究開発企画部 稲吉 輝彦様
研究開発企画部 利根川 明央様
知的財産部 皆川 春香様
知的財産部 小澤 ゆい様

「化学の力で社会を変える」をパーパスに掲げ、先端材料を通じてグローバルな課題解決に挑む株式会社レゾナック。半導体・電子材料やモビリティ、ケミカル、イノベーション材料など、多岐にわたる領域で技術革新を牽引しています。
今回は、研究開発企画部の稲吉様、利根川様、知的財産部の皆川様、小澤様に、同社の情報収集を支えるAnewsの活用術や、そこから見えてきた成果についてお話を伺いました。
研究開発と知的財産が支える、レゾナックの技術戦略
──はじめに、貴社の事業内容と、研究開発企画部、知的財産部の役割を教えてください。
稲吉様:レゾナックは「化学の力で社会を変える」をパーパスに掲げ、先端材料パートナーとしてグローバルな社会課題の解決に取り組んでいます。半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルなど、幅広い領域で独自の技術力を活かした製品を提供しています。

その中で研究開発企画部は、全社で研究開発を一括に進める司令塔の役割を担っていて、大きく3つの業務を担っています。
1つ目が技術戦略の策定、2つ目がオープンイノベーションの推進、3つ目が研究開発マネジメントです。全社レベルで「どのような分野・技術に力を入れていくか」といったことを検討し、大学や他企業との連携も進めています。
利根川様:私たち研究開発企画部は、関連会社を含めたグループ全体の技術戦略も担当しています。経営方針に基づいて、どの分野に集中投資すべきかを検討することも役割の一つです。
──知的財産部はどのような業務をされているのでしょうか。
皆川様:知的財産部では、特許や学術文献の調査・解析、事業視点での戦略的な特許出願・管理、契約関連や商標対応など、様々な業務を行っています。私と小澤はインテリジェンスグループという組織で、特許・論文・ニュース情報の調査やIPランドスケープなどを担当しています。
小澤様:今年からインテリジェンスグループが二つのチームに分かれました。特許調査・監視などを担う”守り”のチームと、IPランドスケープなどの”攻め”のチームができましたが、メンバーはどちらの業務も遂行できる体制を整えています。研究開発企画部からのIPランドスケープの依頼も多いので、部門連携しながら知財を強化しています。
導入前の課題「幅広い事業領域をタイムリーに把握する難しさ」
――Anewsを導入する前は、どのような課題を感じていましたか?
稲吉様:当社は事業領域が広いので、世界的な技術動向や業界ニュースを素早く把握する必要があります。しかし、複数のサイトを使って横断的に情報を収集しようとすると時間と労力がかかってしまって…。特に海外ニュースの収集はタイムラグの発生に苦労していました。
利根川様:前の職場では研究者として特定領域を見ることが多かったのですが、研究開発企画部に配属になり、より幅広い領域の情報をキャッチアップすることが必要になり、効率的な情報収集の方法を模索していました。
皆川様:知的財産部では特許調査がメインで、ニュース情報からの業界動向把握や海外事情をウォッチする体制は十分とは言えませんでした。全社方針として、IPランドスケープを強化していく中で、ニュースやトレンドも的確に把握する必要性が高まっていました。
小澤様:検索エンジンで調査するだけでは、欲しい情報とは関係のないニュースが大量に出てきてしまい、必要な情報にたどり着けないのが悩みでした。
――そのような状況下で、Anewsに注目されたのはどうしてでしょうか?
稲吉様:一番大きかったのは、事業領域を網羅する豊富なニュースソースとAIのレコメンド機能です。キーワード登録すれば新しい情報を自動で届けてくれるというのが魅力でした。さらに、部門間で共有やコメントがしやすく、プラットフォームとしても活用できそうだと考えました。
皆川様:朝・夕のメール配信で新着ニュースが届く仕組みも便利だと思いました。また、日々の閲覧データをAIが学習して精度が高まっていくという点です。今まで手動でやっていた検索・情報整理の手間を大幅に削減できると判断しました。
国内外の最新情報を素早く押さえ、社内へ積極的に共有
―導入後、どのようにAnewsを使われていますか?
稲吉様:担当しているテーマや注目領域をあらかじめキーワード設定し、AIレコメンドと組み合わせて情報を収集しています。特に海外ニュースの収集が楽になりました。日本語のキーワードでも英語の記事がヒットしますし、日本でまだ翻訳されていない最新の海外ニュースを手に入れられることが可能です。生成AI関連のニュースなどは特に顕著ですね。

利根川様:私の場合は、通勤時間にアプリで気になるニュースをチェックし、社内のグループに共有しています。無機材料や金属材料など、テーマごとのコミュニティを作り、そこに30〜40人ほどが参加しています。参加しているメンバーが常に新しいトレンドを把握できる状態を構築しています。これまではメール転送で情報共有しても反応がわかりづらかったのですが、Anewsだと閲覧数やリアクションが見えるので「お、これに興味持ってるんだな」というのが分かって面白いですね。
皆川様:私は朝イチで届く新着ニュースメールをチェックし、そこで見つけた重要そうな情報を知的財産部のメンバーに展開しています。これまでの特許調査やIPランドスケープにニュースという視点をプラスできたので、業界トレンドや他社の取り組みなども把握できるようになりました。他社の知財戦略などの情報も自動的に配信されてくるので、部内で共有し、知的財産部として取り組むべき課題の議論にもつながっています。
小澤様:“読み逃しニュース”が配信される機能が便利です。自分が見落としていても、他メンバーが注目しているニュースを拾えるので、チーム内の関心事やニーズをキャッチしやすいんですよ。
―特に気に入っている機能はありますか?
稲吉様:AIによる要約生成機能は非常に重宝しています。自分が未知の領域について調べるとき、まず要約を見ることで全体像が把握しやすくなりました。
海外動向も即把握し、新規テーマ検討がスピーディに
国内外のニュースを素早く把握
──導入後、具体的な効果はどのような点で感じていますか?
稲吉様:海外ニュースも含めた情報を早く押さえられることです。実際に、Anewsで見つけたトレンド情報を参考に、セミナーやイベントへの参加を決めたり、新規テーマの検討に着手したりすることが増えました。
利根川様:Anewsを通じて、国内ではまだ話題になっていない領域でも、海外では盛り上がっている事例が見つかることがあって、そこから新しいテーマの検討に繋がっています。
情報共有から連携へ
――知的財産部と研究開発企画部門との連携に変化はありましたか?

皆川様:Anewsで得た情報を事業部や研究開発企画部に共有することで、調査対象に海外企業を追加しようという判断や、他社の出願情報をもとに新たな戦略を検討する機会が増えました。海外ベンチャー企業の記事の共有がきっかけで、オープンイノベーションの検討に発展したケースもあります。
小澤様:従来は特許情報が中心だった調査活動に、ニュースという新しい視点で企業動向まで補足できるようになり、提案の説得力が増しているのではないでしょうか。依頼元の事業部も把握していなかった情報を盛り込んだ提案や、経営層・幹部に対してより具体的な提案ができるように変化しています。
――今後はAnewsをどのように活用していきたいですか?
稲吉様:今は研究開発企画部や知的財産部が中心ですが、市場情報を扱う部門や新規事業創出を検討している部門にも広げたいですね。
同様の課題を抱える企業へのメッセージ
――最後に、同じような課題を抱える企業に向けて一言いただけますか。

小澤様:Anewsは、自身で詳細な設定をしなくても、自然と情報取得の精度が上がっていくのが魅力だと思います。メール配信もあるので、忙しくても“メールチェックのついで”に海外を含めた最新ニュースをキャッチできます。
稲吉様:本当はできれば他社には教えたくないくらい便利なツールです(笑)。特に研究開発部門や知的財産部門のように、広範囲で専門性も必要な調査をする部門には大きな力を発揮します。社内の意思決定の精度を上げることにもつながりますし、戦略的なアイデアの創出を支える手段として、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
※記事内容および、ご所属等は取材当時のものです。