お役立ち資料一覧へ お問い合わせ
MENU CLOSE

Cases TDK株式会社

Anews

Anewsの導入で情報収集・共有を活性化。不確実性の高い将来を見通し、社会課題を解決するイノベーションを創造するために

tdk_fv

【取材にご協力いただいた方】
TDK株式会社
取締役 常務執行役員 技術・知財本部 本部長 佐藤 茂樹様
技術・知財本部 評価解析センター ゼネラルマネージャー 兼 技術企画グループ 技術管理室長 井出 勉様
技術・知財本部 技術企画部 技術管理室 リーダー(課長) 須澤 和樹様(Anews運用推進担当)
技術・知財本部 技術企画部 技術管理室 大下 碧様(Anews運用推進担当)取材当日は欠席


「創造によって文化、産業に貢献する」を社是に、これまで社会の発展を支える製品を創造し続けてきたTDK株式会社。近年は「Vision2035」を掲げ「かけがえのない地球環境の再生・保護と、豊かで安心できる暮らしの実現」に向け、さらなるイノベーションの創出に挑戦しています。

今回は、技術・知財本部の佐藤様、井出様、須澤様に、Anewsをどのようにお使いいただいているかについて伺いました。

情報感度を高め、イノベーションの創造につながるアイデアを探し出すためにAnewsを導入

──まず、皆さまが所属しておられる技術・知財本部のミッションとその背景について教えてください。

佐藤様:当社は社会課題の解決を目指し、これまで四大イノベーション(フェライト素材・磁気テープ・積層部品・磁気ヘッド)を確立するなどの取り組みを行ってきました。現在は、今後の注力分野として「Seven Seas」という7つの注力分野を掲げており、2023年までの中期経営計画である「Value Creation 2023」では社会課題の解決を強く推し進めています。

このような会社全体の動きの中で、技術・知財本部として、いかにビジネスや事業に繋がる、将来性のある技術開発ができるのかが重要な役割となっており、技術・知財本部では社会問題の解決や長期的な視点に基づく研究開発、それらを通じた事業活動への貢献をミッションに掲げて、活動をしています。

ミッションとビジョン策定の背景をお話しますと、2020年に着任した直後、まずは現場を回り、取り組んでいる開発テーマを聞いて回りました。その活動を通じて非常に魅力的な技術や研究開発テーマがあることがわかりました。

一方で研究開発はすぐに成果に結びつくものばかりではありません。長期的に研究開発に取組んでいくには、取り組む技術や開発テーマに意味を持たせなくてはいけません。そこで、社会との繋がりから自分たちの役割を定義するミッション・ビジョンを策定しました。

佐藤 様

──続いて、Anewsを導入する前の課題や導入の経緯について教えてください。

佐藤様:社会課題を解決するイノベーションの創造には、不確実性の高い将来を見通すための情報収集が重要です。

しかし、研究者はそれぞれの専門領域を深堀りすることは得意でも、知りたいことの周辺にある情報にはあまり関心が向かなかったり、優先的に情報収集をしなかったりという課題がありました。

一般的に、研究開発部門は、直接的な売上や利益を出すことが難しい部門です。だからこそ、専門領域の周辺にある世の中の動きを観察し、将来的なイノベーションにつながるアイデアを生み出す必要があります。

私自身、過去にシナリオ・プランニングを学び、幅広く情報収集することの重要性を理解しています。一見、関連のなさそうな情報でも様々な情報源から入手し時系列で積み上げていくことで、将来起こるシナリオ(出来事)を想定し、対処法を検討する。まさにそうした情報収集・共有を部門内で活発化させたいと思い、Anewsの導入を検討しました。

Anewsの導入で社内ネットワークが活性化され、情報収集の質やスピードが向上

──導入にあたって、期待していたことや興味を持っていたことは何ですか?

佐藤様:最も期待していたことは、Anewsを用いたコミュニケーションの活性化です。研究開発という業務の性質上、メンバーの専門分野やテーマが細分化されており、情報共有が上司への報告や相談など上下方向のコミュニケーションに限定されてしまいがちです。

また、製品開発を行う際も、資材部門や生産技術部門、設計部門など、部門間の連携を見据えて開発を行わなければなりませんが、業務遂行時のコミュニケーションは担当から部門長へ、部門長から各部門長へ、各部門長から各担当へと、上下方向のコミュニケーションを経由して行われることが主体になっていました。

もちろん、こうしたコミュニケーションは特定の分野や技術の問題解決には適していますが、今の時代は様々な技術を組み合わせて1つのビジネスが生まれます。Anewsの導入で、これまでの上下のコミュニケーションが横方向に展開し、関心ある技術やトピックを軸に議論が生まれるようなイノベーションの場が生まれることを期待していました。

──実際に、ビジネスに必要な情報をAIが自動でお届けするAnewsを導入したことで、どのような変化が生まれていますか?

須澤様:当初想定していた情報収集の効率化はもちろん、「情報共有の活性化」も生まれています。

須澤 様

たとえば、あるメンバーが書き込んだニュースへのコメントや疑問を、別のメンバーがコメントで返信し、補足情報や別のニュースソースを共有するようなことも起きています。

これまでは、関係する部門内のメンバー同士で質問や相談をしていたため、必要な情報が得られない場合もありましたが、Anewsの導入で他部門のメンバーとも広くコミュニケーションが生まれ、これまでよりも早く、様々な情報を収集・共有できるようになりました。

また、当初は想定していなかった「情報収集を組織で行う効果」も実感しています。たとえば、あるニュースに対して情報の信頼性が低いとか、外国のニュースに対して訳が間違っているとか、一人での情報収集では鵜呑みにしてしまうかもしれないニュースに関して、専門知識を持ったメンバーの見解を知ることができ、「なるほどな」と思ったり、新たな気付きや視点が生まれたりしています。

佐藤様:メンバーのユニークな一面を知ることができるのも良い変化だと思いますね。普段、メンバーと直接関わる場所は部門内の「検討会議」などオフィシャルな場に限られており、時間も多くありません。ですが、Anewsで挙がってくるコメントを読んでいると、一人ひとりの専門知識の深さやニュースへの考えが見えてくるため、相互理解につながっています。

──実際に変化が生まれた一方で、導入直後は定着に課題があったと伺っています。Anewsを活用してもらうために、どのような取り組みや工夫をされていましたか?

須澤様:効果的だったのは、情報感度の高いメンバーをアサインしたことですね。それまでは、ニュースを読んで感想をコメントするような使われ方でしたが、情報感度の高いメンバーの参加によってコメントを起点にディスカッションが起こったり、記事へのマークが増えたりと、一気にAnewsが活性化しました。

井出様:Anewsの取り組みを聞いた別部門のメンバーが参加を申し出てくれるというような相乗効果も生まれています。もともと別部門でも新聞の読み合わせやシェアを行っていましたが、新型コロナウイルスの流行で出社ができず、情報共有がしにくい状況でした。技術知財・本部が面白いことをやっていると、社内の口コミで徐々にメンバーが広がっています。

井出 様

──今後、さらにAnewsを活用し情報収集・共有を活発化するうえで、取り組みたいテーマや活動はありますか?

佐藤様:そうですね。私は「仕事以外のテーマでも情報収集をし、コミュニケーションをとってほしい」と考えています。研究開発をする際は、知りたい情報「以外」から開発のアイデアが生まれたり、雑談のようなコミュニケーションから開発の「きっかけ」が生まれたりすることも多く、アンテナを高くし専門領域の周辺にある情報も収集することで、社会課題の解決につながるイノベーションの創造に近づくのだろうと考えています。

もちろん、Anewsでニュースを読んで情報収集をするだけでも十分ではあるものの、今後はよりフラットに情報共有ができるような仕組みづくりを行いたいですね。たとえば、「このテーマならこの人に相談しよう」とか「このニュースをもう少し詳しく知りたいから、あの人に聞いてみようとか。組織内のネットワークがAnewsを起点に広がっていくと、今後の研究開発や事業貢献に生きてくると思います。

須澤様:今後は新入社員や他部門のメンバーも交えながらよりコミュニケーションを円滑化するために、利用のハードルを下げるような取り組みを進めていきたいと思います。

他部門との連携を強化し、Anewsをイノベーションが生まれる場へ

──あらためて、今後のAnewsの活用に向けた方向性について教えてください。

佐藤様:過去の体験を遡ると、開発になるネタって自分の専門分野や解決しようとするところにはないことが多いんですよね。なぜその技術を取り入れたかというと、これまで着目もしていなかったところから出てくることが往々にしてよくある。だからこそ、アンテナをどれだけ張っているかが大事だと思っています。

そして、一つの課題を解決するにも優秀な仲間がたくさんいた方がいい。例えば、一つの製品を作るためには材料知識も必要だし、プロセスの知識も必要だし、生産設備のことからお客様、マーケットも理解しないといけない。それらを全部1人でやるのは不可能なんですよね。

そうすると仲間が必要で、仲間を3人集められる人より10人集めてこられる人の方が新しいことを始めたり、立ち上げたりすることの成功確率が高い。技術へのアンテナと人脈をどう作っていくのか。Anewsを通じて、気軽に相談できる人が増えていく、それぞれの引き出しが増えることで、皆が集まって大きな課題を解決できるようになる。Anewsをそういった場にすることで、社会課題を解決するイノベーションへと繋げていきたいと思っています。

※記事内容および、ご所属等は取材当時(2023年1月)のものです。

事例資料をダウンロード