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プレスリリース

日本触媒 新規事業創出にストックマークの生成AI技術を利用 社内文書とナレッジグラフを活用した実証実験を完了し、業務適用を開始

 ストックマーク株式会社(本社:東京都港区、社長:林 達、以下:当社)と株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、長:野田和宏、以下:日本触媒)は、日本触媒における新規研究テーマおよび新規事業創出の確度向上・効率化を目的とした実証実験を終え、その成果の業務適用開始に至ったことをお知らせいたします。

 なお、当実証実験は、日本触媒が保有する研究資料や技術報告資料などの社内文書と、当社のナレッジグラフ構築技術や大規模言語モデル(Large Language Model、以下:LLM)構築技術などの生成AI技術を組み合わせた実証実験となっており、日本触媒のソリューション事業拡大にむけた研究開発業務におけるプラットフォーム整備の一環として行われていました。

実証実験の背景

 日本触媒は、自社開発の触媒技術を核としてグローバルに活動する化学メーカーであり、長年培ってきた技術力を通して社会に豊かさ・快適さを提供しています。2030年に向けた長期ビジョンでは、既存分野から成長分野への事業ポートフォリオ変革のため、収益性の高いソリューションズ事業の拡大を目標として掲げております。この目標に対し、R&D部門では、事業化促進や事業創出力強化等に取り組んでいますが、その中で、社内外の情報活用に関して、以下のような課題を抱えていました。

社内情報の活用課題

・情報が整理されておらず、利用できる範囲が限られている
・必要な情報を見つけるのに時間がかかる
・情報が欠けている、信頼性が低いものがある

社外情報の活用課題

・欲しい情報が取得できない、欲しい情報にたどり着くまでに時間がかかる
・情報量が多く、取捨選択や分析に時間がかかる
・事業創出などの経験を持つ人が少なく、属人的になってしまう

 そこで、これらの課題解決を目的に、当社の生成AI技術に加え、社外情報を中心に当社が独自収集した豊富なビジネスデータと、日本触媒が保有する社内情報を活用した新規用途探索の実証実験を行いました。

実証実験の概要

 当実証実験は、当社が提供するRAG実用化サービス「Stockmark A Technology、以下SAT」を用いた、データ構造化やナレッジグラフ構築などの技術と、当社の豊富な生成AI実装ノウハウを活用することで、日本触媒の保有技術を理解した生成AIの構築と、それらを活用した新規用途探索の業務利用を目的としております。

①:業界・企業固有の表現も理解した「ナレッジグラフ」の構築

 膨大な情報から、自社技術の新規用途を確度高く・効率よく発見するためには、言葉の意味(業界、企業名、製品名、機能特性など)に加え、言葉どうしの関係性もAIが理解する必要があります。

 しかしながら、原料や素材の機能特性などの自社情報や、それらの用途探索で前提となるような市場先などの外部情報には、業界・企業固有の表現や複雑で難解なビジネス情報が多く存在しており、言葉の意味と関係性を理解するのは容易ではありません。

 これを解決する効果的な手段として、当社が提供する「SAT」の主要機能であるドキュメント解析とナレッジグラフ構築技術を利用し、日々更新される社内外の複雑な情報にも対応した、日本触媒独自のナレッジグラフを構築しました。

②:独自LLMの活用による、技術(シーズ)情報を起点とした新規用途探索の実現

 前述のナレッジグラフ構築に加え、当社の豊富な生成AI実装ノウハウを最大限活かした独自のLLMを活用することで、日本触媒の保有技術を起点とした、新規用途の探索を実現しました。

 これにより、従来の新規用途探索では、個人が持ちうる知識と、限られた時間の中で調査していた市場リサーチなどの属人的な業務を高度化し、新規研究テーマや新規事業の構想を容易にできる可能性があります。

 当実証実験にて、「棚卸した自社保有コア技術情報や、製品・技術紹介資料の構造解析」や「自社技術情報を参照した生成AIによる新規用途の提示」という点において、価値が見出せたため、業務適用の開始に至りました。

今後の展望

 当実証実験を通して、社内文書のレイアウト解析・ナレッジグラフ構築と、構築した生成AIによる新規用途の提案において、一定の精度基準をクリアすることができました。

 今後は、書式が統一されていない、図表を含む複雑なレイアウトの社内文書を含めた検証を進め、更なる精度向上を目指すとともに、日本触媒の社内システムとの連携も検討していきます。

 また、当社が提供する「Anews」についても、その業務への適用可能性を探り、より実践的な利用を進めることで、日本触媒における情報活用の高度化や、新規事業創出活動の促進を目指します。

ストックマーク株式会社 代表取締役 CEO 林 達のコメント

 この度、日本触媒様との協業を通じて、生成AI技術の実証実験が成功し、業務適用が開始されたことを大変嬉しく思います。
 日本触媒様は、長年にわたり培われた優れた技術力を基盤に、社会に豊かさと快適さをもたらす化学メーカー様です。
 その強固な技術資産を最大限に活用し、新たな事業機会を創出するためには、膨大な情報を整理・活用し、より迅速かつ高精度な意思決定を可能にするデジタル基盤の整備が不可欠です。
 今回の取り組みにおいて、当社のRAG実用化サービス「Stockmark A Technology(SAT)」を活用し、日本触媒様独自のナレッジグラフと生成AIの構築に貢献できたことを誇りに思います。
 本プロジェクトにより、日本触媒様の新規用途探索が大幅に効率化され、研究開発のスピードと質が向上することを確信しています。
 今後も、当社の生成AI技術とナレッジマネジメントの知見を活かし、日本触媒様のさらなる事業成長とイノベーション創出を支援してまいります。

株式会社日本触媒 取締役常務執行役員 事業創出部門管掌
住田康隆のコメント

 日本触媒はメーカーのため、研究開発力・技術力の活用が重要です。
 しかし、その活用が独りよがりにならないよう、常に顧客視点での課題解決に+αの付加価値を提供することが求められます。
 顧客や市場を深く理解し、研究開発のスピード感も維持するためには、このような取り組みは重要だと考えております。本取り組みにより、新規事業創出関連の活動に挑戦する人材が増えることも期待しています。

Anewsについて

 Anewsは、最先端の自然言語処理技術を活用した組織で情報収集/市場分析を共有できるナレッジマネジメントサービスです。国内外約35,000サイトのニュース、特許・論文・官公庁の報告書などの公開情報に加え、組織に眠る膨大な社内情報まで、ビジネス領域で役立つ様々な情報へ一括でアクセスすることができます。

 検索結果をAIが自動で要約するため、知りたい情報の全体像や要点を素早く把握できるだけではなく、ユーザーの興味関心をAIが学習し、パーソナライズされたニュースを毎日自動で配信する推薦機能により、業務における情報収集の幅と効率が飛躍的に向上します。

 さらに、組織が注目している情報や特定の情報に詳しい知見者の発見も可能となっており、組織間の連携促進や業務知識の人材育成といった情報に関する組織課題も解決します。

・Anews:https://stockmark.co.jp/product/anews

株式会社日本触媒について 

 1941 年の創業以来、自社開発の触媒技術を核としてグローバルに活動する化学メーカー。紙おむつに使われ、世界 1 位のシェアを誇る高吸水性樹脂(2024 年当社調べ)やリチウムイオン電池材料など、人と社会から必要とされる素材・ソリューションをお届けします。グループ企業理念「TechnoAmenity ~ 私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」のもと、長年培ってきた技術 力を通じて皆様に豊かさ・快適さを提供しています。化学技術を活用した高機能素材の開発を推進しており、2030年の長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」に基づき、持続可能な社会の実現を目指し、環境対応型製品の開発やDX推進にも注力しています。

会社名 :株式会社日本触媒
所在地 :大阪市中央区高麗橋 4-1-1
設立  :1941年8月21日
代表者 :代表取締役社長 野田 和宏
URL  :https://www.shokubai.co.jp/ja/

ストックマーク株式会社について 

 ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用し、多くの企業の企業変革を支援しています。

 社内外の情報をワンストップで検索できる「Anews」及び、あらゆるデータを構造化し企業の資産に変える「SAT」を運営しています。さらに、企業特化生成AIの開発や、独自システムの構築も支援しています。

会社名 :ストックマーク株式会社
所在地 :東京都港区南青山一丁目12番3号  LIFORK MINAMI AOYAMA S209
設立  :2016年11月15日
代表者 :代表取締役CEO 林 達
事業内容:自然言語処理を活用した、
     事業機会の探索と意思決定の支援を行うサービスの開発・運営
URL  :https://stockmark.co.jp/

本件に関する報道関係者のお問合せ

ストックマーク株式会社
担当:畑中、平澤(ハタナカ、ヒラサワ)
MAIL:pr_stockmark@stockmark.co.jp