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今後のR&Dに必須!事業貢献するために必要なビジネス視点と情報活用術

「R&D」と書かれたパズルのピースの画像

テクノロジーの進化、社会情勢の急激な変化により、世の中が大きく変わってきている。企業を取り巻く環境は目まぐるしく移り変わり、その企業に属する研究開発部門も今までと同じままではいられなくなっている。元来からの製品を生み出す苦しみに加えて、さらに事業貢献できるような開発が求められるようになってきている。

見るべき情報はますます増え、何をどのように捉えていけばいいのか途方に暮れている方もいるのではないだろうか。この記事では、開発部門のご担当者向けに、良いアイデアを生み出すためにどのような情報を捉えるべきか、また効率的に必要な情報を集める方法についてお伝えする。

※当記事は2021年9月28日に開催したオンラインセミナー「価値づくり時代の今、R&Dに求められるビジネス視点-市場ニーズを捉える情報活用術」の内容をもとに作成しています。

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 移り変わる企業を取り巻く環境

近年、急速に変わる社会情勢によって、ミッションやマーケットの変化を感じられている方も多いのではないだろうか。ここでは、どのような社会の変化が企業に影響を与えうるのか、なぜ変わらなければいけないのか、R&D部門のあり方をも変えようとしている、その時代背景を解説する。

 今までのやり方が通用しない!変化の激しい時代に突入

「VUCA時代」と言われるぐらい、先行きが不透明で変化の予測が立てにくい社会情勢となり、企業を取り巻く環境は急激に変化を続けている。

その変わりゆく早さは、企業が成長するスピードにも現れている。一般的なフォーチュン500の企業が、時価総額10億ドルに達するまでに平均して20年かかっているのに対して、GoogleやFacebookなどに代表されるテクノロジーカンパニーは10年を切るスパンで達成しているのだ。また、1965年には33年もかかっていたのだが、2027年頃には約3分の1の12年になるという予測も出ている。

さらに、デジタル・ディスラプションの影響により、市場シェア10位以内の企業のうち従来型の企業の4社が淘汰され入れ替わっていくとされている。破壊的なイノベーションが顕著化するまでの期間もおよそ3年と短い。しかし、短期間で変化していく状況にもかかわらず、実際に脅威と認識している企業の割合は41%程度で、積極的にデジタル・ディスラプションに対応している企業も25%にとどまっている。

恐ろしく短い期間で変化が起こるため、異変を感じてから動き出すのでは到底間に合わない。今後、VUCA時代を生き抜いていくためには、どう自社価値を上げていくか、これまで以上に顧客に提供する価値を考えていく必要がある。

※デジタル・ディスラプション…デジタル技術がもたらす破壊的なイノベーションのことで、既存の製品やサービスが淘汰され、新しい製品やサービスに置き換わること。

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 R&D部門に求められる成果の変化

研究開発部門の重要課題も、コア技術などのシーズを深掘りしていくことから、経営・事業戦略との一貫性のある研究や開発へと変わってきており、より研究開発からの事業貢献が求められてきている。

これまでは同業種内で、良い製品の開発や販売を競い合ってきた。良いモノを中心とした、コア技術ありきの研究開発であった。しかしこれからは、提供する体験に価値を置くことから、顧客やマーケットを中心に考える必要がある。競合も同業種内だけではなく異業種も含み、競い合うことだけではなく、共創も視野に入れなければならない。何よりも日本の企業は技術やシーズが強みではあるが、社会課題やニーズと結び付けることが苦手であり、そこが課題であると言える。

つまり、今後R&D部門として成果を出し事業貢献していくためには、ビジネス視点を養っていく必要がある。今後重要となるビジネス視点には、「事業化プロセスの理解」と「価値探索」の2つのポイントがある。

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 事業化・事業貢献に向けたプロセスの理解

今後は研究への注力だけではなく、より事業化への理解を深め、意識した研究開発が求められる。
新規事業や事業立ち上げにおいて、必要なプロセスは以下の通りだ。

事業化プロセスは、Why(なぜ)、What(なんの価値を)、Who(誰に・誰と)、How(どのように)の大きく4つの要素分けることができる。さらに細かく分けることもできると思うが、これがベースとなる重要な要素だ。

・Why(なぜ)
なんのために取り組むのかを言語化する。ビジョンやミッションなどを伝える力が必要。
・What(何の価値を)
何の価値を提供することによって、顧客やマーケットにインパクトを与えられるのかを考える。そのためには、技術やシーズに対する深い理解が必要で、課題やテーマを抽出し、シーズとの掛け合わせを行う。
・Who(誰に・誰と)
顧客や取引先、競合を分析・理解し、誰と共創して、誰に提供していくのかを明確にする。
・How(どのように)
ビジネスモデルを理解することで、人・モノ・金の調達と調整により、どのように届けるのかを決める。

研究開発部門は、技術やシーズに対する深い理解は十分持っているだろう。事業化プロセスの全体像の理解を深め、部門としてビジネスに貢献するためには、そのベースの部分にプラスして、これまであまり時間を割くことができていない2つのポイントを強化する必要がある。

・課題やテーマを抽出し、シーズと掛け合わせる
・顧客や取引先、競合についての理解を深める

しかし、これまで注力できていなかったがゆえに、
・掛け合わせのアイデアに繋げることが難しい
・課題やマーケットの情報収集は何を見ていいのかわからない
・どの範囲の情報を見ればいいのかわからない
などの課題を多く耳にする。

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 アイデアに繋がる情報収集!価値探索のススメ

自社技術やシーズなどはよくわかっていても、それをどのようにして事業と結びつけていくのかは難しいことである。そこで、ここでは参考にすべき情報とはどのようなものかや、得られた情報をどのようにアイデアに結び付けて行けばいいのかを解説する。

 新たな出口探索のために

これまでのR&D部門がメインで取得していた情報は、特許や論文、レポートや高額本、取引先や競合などの企業情報だったのではないだろうか。しかし、これらの情報は半年から1年後に出されるため、情報の鮮度で言うと若干古くなってしまう。顧客や市場を捕まえたプロダクトを企画して行くためには、より鮮度の高い情報を得る必要がある。

そこで鮮度の高い情報として適切なのがニュース情報だ。顧客のニーズやマーケットの動向の変化をより早くキャッチすることができる。新たな出口探索に向いていため、現在参考にしている特許や論文情報にプラスして、こういったメディアのニュースなどを取り入れることがおすすめだ。

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 情報からアイデアに繋げるためのフレームワーク

以下の図は、アンゾフのマトリクス図だ。どのような情報から見ていけばいいのかや、得られた情報をどのようにアイデアに繋げていけばいいのかなど、頭の中を整理する際に有効だ。

この図は、縦が「技術・製品」軸で、横が「市場・顧客」軸となっている。

左下の領域1「コア技術」は、既存の技術で既存の顧客に提供を行う現業を表している。領域2の「既存顧客の新テーマ」は、既存の顧客に対して新しい技術や製品を提供することを目指す。現在の顧客に新しいニーズや要望が生まれた時に対応する領域で、顧客に対するヒアリングが重要なプロセスとなる。また、領域3の「他用途展開」は、既存の技術で新しい顧客を探索するパターンで、同じ技術でありながら、別の課題を解決できる方法を探す領域だ。最後の領域4「飛び地」は、技術と顧客や市場も別の全く新しい領域である。そのため一足飛びにここを目指すのは難しいだろう。

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 情報のインプットにおける課題

今後、研究開発部門として情報収集を強化しようとした時に、これまで対象としていなかった領域の情報に対して、どのようにアプローチしたらいいのかわからないと言うこともあるだろう。また、情報を収集するにあたっての課題として、企業内の変わらない体制や情報の取捨選択の難しさがあげられる。

 情報収集の変わらない体制

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で企業内部における環境は、働き方改革やデジタル化の施策が大きく進み出したと言える。一方、企業を取り巻く政治、経済、社会などの外部環境は、より一層急激に変化し先行きの読みにくい状況となっているにもかかわらず、外部環境の変化を捉える体制や、変化に対する対応と備えはこれまでと変わっていない。社会の変化をいち早く取得するための仕組み化を行い、組織やチームとして取り組むのではなく、あくまでも個人に委ねられているのが現状ではないだろうか。

 情報の取捨選択を行う困難さ

Webニュースだけでも情報は溢れかえっており、情報を適切に取捨選択することが難しくなってきている。情報の流通量もここ数年で急激に増える中、その情報を受け取る側である人が消費する情報量はほぼ変わっていない。つまり、とっくに限界を超えてしまっているのだ。この流通量と消費量の差分を埋めるためには、ツールやサービスなどのテクノロジーの力をうまく取り入れていくことが必要なのではないだろうか。

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 情報収集をサポートするサービス「Anews」

テクノロジーの力を借りて情報を効率的に取得することで、より思考を巡らせたり、アイデアをブラッシュアップさせたりすることに時間を使えるようになる。ここでは、Stockmarkが提供する「Anews(エーニュース)」のサービスの強みとおすすめな理由をお伝えする。

 Stockmarkの強み

Stockmarkは「BERT」を用いた手法により、テキストデータを機械が理解できる形に変え、文脈を考慮できるAIを開発。自然言語処理のリーディングカンパニーであり、文脈から単語の意味を正しく判断できることが強みである。
たとえば、企業名であっても文脈によって意味が異なる単語となる場合があり、コンピューターにとっては判断がとても難しい。他社の固有表現抽出ツールに比べ、93%という高い精度で企業名を正しく抽出できるのが特徴である。

 Anewsがおすすめな4つの理由

・国内外約35,000サイトから情報を収集
人だけでは収集や処理しきれない膨大な範囲から情報を集めることができる。

・読み手の関心に合わせたニュースをレコメンド
設定しているテーマや、今までの閲覧履歴、マークやコメントなどのアクションをもとに、必要な情報の取捨選択を行い、関心が高いものを優先的に配信する。また、キーワードが含まれていなくても、テーマに関連する隣接領域の情報も推薦するため、AIの力で気付きと企画の底上げをサポートできる仕組みとなっている。

・チームとしての情報収集をサポート
チームメンバーが関心を持って、マークやコメントを行ったニュースを表示することで、チームでの情報収集を活性化させる。また、マークやコメントされたニュースをきっかけに生産的な議論の場を作ることにも繋がる。個人の中で終わってしまう情報収集ではなく、チームと共有することで広がりが生まれるような情報収集を行うことができる。

・英語のニュースも網羅
日本語の記事を読むだけで、その記事に関連する英語のニュースが推薦される機能がある。研究開発部門では英語の記事を読むこともあると思うが、英語が苦手であると情報を集めるだけでも苦労するだろう。この機能があれば、関連する英語のニュースがピックアップされるため、記事を読むことに集中できる。

参考ページ:Anewsの資料はこちら

 出口探索におけるAnewsの活用方法

先にご紹介したアンゾフのマトリクス図の各領域に合わせた、Anewsの設定でおすすめなテーマを紹介する。

領域1「コア事業」既存技術×既存顧客
ガラスやセラミックなど自社製品の内容や特徴をテーマとして設定。また、競合やベンチマーク企業を合わせてセットすることで、対象とする市場への新たな企業の参入などのリスクヘッジ・リスクキャッチを行う。

領域2「既存顧客の新テーマ」新規技術×既存顧客
現在の顧客の新しい取り組みを見るために、企業名を追っていくのがひとつの方法だ。

領域3「他用途展開」既存技術×新規顧客
新しい市場を広げるために、製品の特徴がどのように使われているのかを調べるためには、伸縮性などの製品の特性を入れることがおすすめ。

領域4「飛び地」新規技術×新規顧客
自社のコア技術と新しい課題の掛け合わせの領域になるため、この領域では、脱炭素や水素など話題の社会テーマを設定することがおすすめだ。

社会課題や顧客の最新動向を追いながら、自社技術の他用途展開ができるような出口探索を行い、自社のコア領域でのリスクヘッジや新たな脅威を注視していく。このようにさまざまなテーマをうまく設定し、多くの有益な情報に触れることで、事業化プロセスでのアイデア出しや、情報からアイデアへ繋げていくことに活用することができるだろう。

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 まとめ

VUCA時代となり先行きの予測が難しい中、企業における研究開発部門のあり方も変容してきている。事業化プロセスへの理解を深め、より顧客や市場に沿った価値を探すことが求められている。そのためには、情報収集は欠かせないプロセスである。情報が溢れかえる超情報化社会において、人のみ、個人のみの情報収集では、すでに限界が見えている。今こそテクノロジーの力を活用し、情報収集力を底上げする時が来ている。

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