2024年以降の半導体市場の見通しは?需要や各国の動向について
製造業
新規事業を企画・提案するとき、現実味があり説得力のある企画書を作成する必要がある。また、顧客として取り込みたい層や解決したい課題が具体的で、将来的にきちんと収益が得られるビジネスモデルが考えられていなければ、企画が承認され実行段階に進めたとしても、さまざまな課題にぶつかり慌てることになるだろう。
今回は、企画書に含めておきたい項目や、説得力のある企画書を作る際に気をつけたいポイントについて詳しく解説する。
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目次
新規事業開発における企画書は、どのような見通しを持って事業を進めていくかといったビジョンやその背景、根拠をわかりやすくまとめたものだ。アイデアを事業の計画として文章化する企画書は、新規事業における設計図である。
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新規事業企画書は、その事業の事業計画を他者へ説明する役割を持つ。社内におけるチーム内でのビジョンの共有や、経営層の承認を得るためだけでなく、補助金の申請や融資を募るなど社外で利用する場面もある。
企画書は、読み手にとって分かりやすく納得できるものにしなくてはならない。新規事業の目的や概要だけでなく、顧客、市場分析、ビジネスモデル、コストや収益の予測などを整理し、事業に対する明確なビジョンがあることが伝わるように設計する必要がある。また、事業の3年、5年、10年後の運営方針といったような中長期的な将来予測を示すことも重要だ。
盛り込むべき内容が多岐に渡ることになるが、重要なポイントはどういった目的で企画書を作成するのかということだ。その目的に合わせ、入れるべき内容、構成、強調する点を考える必要がある。
提案書も企画書と同様に新規事業を始める前に作成するものであるが、提案書は詳細な内容というよりも概要を伝えることが趣旨といえる。主にどのような企画にするのかといった計画の骨子、開発の動機、そして大まかプロセスなどを記載する。
他方、企画書には、根拠とする事実やリサーチ、具体的数値などにおける論理性と客観性、さらに中長期的な計画などの具体性が強く求められる。
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事業計画書も新規事業企画書と類似する書類の1つだ。企業によっては同義として取り扱う場合もあるため、文脈の前後関係に注意が必要だ。
新規事業企画書と事業計画書の違いは次の通りである。一般的に事業計画書は、既存事業の今後の計画を記したものだ。これまでの事業の実績や取得したデータなどの客観的事実を主な根拠として、短期的、または中期的な計画を具体的に記載する。
一方、新規事業企画書は、新規事業を立ち上げる前段階で作成する書類で、事業としての経験値が社内に蓄積されていないため客観性のあるデータが少ない。そのため、アイデアの信憑性を補うためのリサーチ情報や分析結果を基とした仮説、売れる仕組みの説明や将来の見通しを具体的かつ詳細に記載できていなければならない。
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新規事業企画書に記載するとよい項目について解説する。ただし先にも述べたが、作成する目的や企画書を共有する相手によって記載すべき内容の優先度は変わってくるため、読み手を意識して作成することが大切だ。
記載すべき内容については以下の通りである。
1.新規事業が必要な背景や目的
2.事業概要(事業のコンセプト)
3.提供する顧客価値
4.提供の仕組み
5.ビジネスの仕組み
6.現状のリソースと予算の予測(利益の計画)
7.リスク分析
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まず、一番大事なポイントとなるのが「自社がなぜこの事業に取り組む必要があるのか」ということだ。その新規事業について自社が取り組むべき理由を明記する。たとえば、自社の企業理念との親和性や競合優位性、この新規事業にこのタイミングで取り掛かる理由などである。さらに、自社で新しい技術の開発が進んだなどの自社アセットに関する内的要因、法律改正などの市場環境の変化である外的要因の両面の考察を含めることで根拠の強度が増すだろう。
誰をターゲットとして、何を、どのように提供するのかなどの新規事業の概要を記載する。ここではターゲットについてや、事業における解決したい課題、提供価値、実際にどのように価値を提供するかといった方法、期間を定めた数値的目標についてまとめる。
事業概要は全体のサマリーとなるため、ついボリュームが膨らみがちになるが、経営層などの読み手が短時間で理解できるよう伝わりやすさを意識して、簡潔に分かりやすく記載することが求められる。
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ここでは「誰に、何を提供するのか」という、その事業で提供する顧客価値について説明を行う。まずは、市場全体の規模や、競合となる企業の規模、市場や業界が抱える課題などの詳細な市場分析と、どのような顧客をターゲットとするのかを記載する。ターゲットは、顧客のニーズを具体的に思い描けるように、年齢、性別だけでなく家族構成や趣味趣向や行動パターンなどできるだけ細かく設定できると良い。
さらに、設定した顧客らがどのようなことに課題を感じているのかを、集めた客観的データを基に仮説を立て、その課題に対して自社の技術や商品、サービスがどのような解決策(価値)を提供できるのかを記載する。
説得力のある企画書作りにおけるこの項目でのポイントは、市場や競合の現状と自社が置かれている立場、顧客と成り得るターゲットの課題、課題に対する自社の提供できる価値のそれぞれの関係性に矛盾がなく、一連の流れが見えるように作成することである。
顧客価値の視点で考える新規事業のポイント!
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提供の仕組みとは「どんな方法で」という手段の部分である。提供するものは有形無形に関わらず、顧客課題を解決する商品やサービスを顧客まで届けるための「オペレーション」と、ターゲットとしている顧客にリーチするための最適な「マーケティング」の2つの視点から示すことが大切だ。
オペレーションに関しては、事業を進行させる中で、いつ、誰が、何をすべきなのかについて、大まかでよいのでスケジュールを立てる。提供の仕組みを実現するための具体的なスケジュールを示すことで実現可能性を強くアピールすることができるためだ。マーケティングについては、どのようなチャネルで販売を行うのか、どのようなプロモーションを行うのかを記載する。
ここでは、「どこから収益を上げるのか」について記載する。具体的には、「誰から」「どのように」売り上げを得るかについて、ビジネスの仕組みを明確にする。また、継続的に収益を上げ続けるための競争優位性の維持についても検討することも必要だ。
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ここでは事業を推進するかどうかの決め手となる「その事業でどれくらいの利益が見込めるのか」ということを記載する。事業を始めるためにどれくらいのコストや期間が必要になるか、また利益がどのように出るのかについて明確に記載する。顧客獲得のフロー、市場における認知度やシェア、売上及び利益の予測を試算して、人件費や材料費なども含めた参入や開発コストと比較して効果の程度について記載する。
この項目では具体的数値に根拠を持たせ、経営陣が納得できるような内容とすることが重要だ。理想の値だけでなく、複数の条件設定をして検証を進めることが求められる。
新規事業には多くのリスクがあり、いくら綿密な事業計画を立てたとしても上手くいくとは限らない。イレギュラーが発生する可能性も含め、企画書作成段階で予測できるリスクや懸念点を企画書に記し、きちんと説明できるようにしておくことが重要だ。また、事業失敗に繋がる可能性があるシチュエーションや、具体的な損失の上限などといった撤退の基準、既存事業への影響などについても事前に明確にしておくことも大切である。
ネガティブな部分へ目を向けることで、読み手だけでなく自分自身の新規事業に対する解像度の向上にもつながる。見通しの甘さなどの指摘を受けないためにも、マイナス面の分析も慎重に行うことが求められる。
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最後に説得力のある新規事業企画書を作成するためのポイントについて解説する。企画書の読み手に納得してもらえるように以下の3つを意識したい。
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提案された経営層が可否を判断するためにも、どのようなロジックで結論が出されたかについて明確にすべきである。具体的なデータを並べるだけでなく、事実同士や論理の繋がり、流れを意識して作成することが望ましい。
経営層は将来的に利益が出るかどうかで可否を判断するため、同じ視点で企画を眺めた上で検討と考察を重ねて企画書を作成する必要がある。不確実性が高まり先行きの見通しが難しい中、経営者がリスクの多い新規事業を推進する決断をするためには、目標達成までの道筋が戦略的にしっかりと説明されていなければならない。また、なぜ自社においてこの新規事業に取り組む必要があるのか、その意義を理解してもらうことも重要だ。自社にとってどのような意味があるのか、何をゴールとするのか、どのように取り組むのか、そして期待できる成果にはどのようなものがあるのかを簡潔に企画書に記すとよい。
企画書の説得力を上げるためには、仮説や予測についての根拠を明確にすることが必要であり、そのためには定量的なデータが有効である。ただし、数値化されているデータであってもデータの信憑性などによってはマイナスの影響を与える可能性があることにも注意しなくてはならない。前向きな検討を後押しするような、信頼性が高くエビデンスとして適しているデータを取捨選択することが大切だ。
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新規事業の企画書を作成する際には、目的や内容が明確かつ具体的であること、そして客観的な根拠に基づき事業計画が練られていることが重要だ。また、企画書をどのように使うのか、読み手を意識することで、必要十分な情報量で分かりやすい企画書を作成することができるだろう。