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先行研究とは自分が取り組んでいる研究開発テーマと同じ分野で先に発表されている研究のことを指し、研究を進めていく上で重要な基礎となる。本記事では、先行研究の重要性から、自分の研究にいかに先行研究を活かしていくのか、そのポイントについて解説する。
先行研究を自身の研究に活かすための5つのポイントとは?
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目次
先行研究は、自身の研究の独自性や新規性を確立する上でも大切だ。自身の研究成果の価値を高めるためには、これまでに分かっている先行研究の成果や結果を十分に理解し、分析して、新しい着想をもって自身の研究を進めていくことが求められる。ここでは、そもそも先行研究とは何であるかについて紹介したい。
先行研究を自身の研究に活かすための5つのポイントとは?
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先行研究とは、自分が研究を進めている技術分野で、自身の研究よりも先んじて行われ、発表がすでにされた研究のことをいう。どのような分野、テーマであっても、まずは先行研究を深く知ることがなによりも肝要だ。複数の先行研究を調べ、内容を理解していくことから、自身の研究で何をすべきかを知り、研究を進める上での目的やゴール設定、実際に研究を進めることができるようになる。具体的には、研究開発テーマに関連する先行研究を参考にしつつ、得た知見をつなぎ合わせたり、批判したりすることで自身の解釈や見解を固めていく。
このようにして先行研究を自身の研究の土台にすることで、これまでにない自分なりの発想を生むことができ、独自性や新規性を持った研究をスタートさせることができるのだ。
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先行研究とする範囲には、基本的には自身の研究開発テーマにおいて参考にしているものすべてが含まれるといってよい。例えば、研究開発テーマの発想の基礎になった論文があるとすると、その論文が参考にしている論文や研究までもが範囲に内包される。また、別の視点からみると、自身の研究開発テーマを行う意義を示すために参考にする研究はすべて、先行研究として取り扱うべきだといえるだろう。当然、参考にするものは複数になるはずであるため、取りこぼしのないように情報を収集していく必要がある。先行研究を網羅することで、自身の研究の新規性を確立させることができる。また、先行研究を参考にすることで、自身の研究において、どのような方法を用いればいいのかなど、進め方の糸口を見つけることもできる。
自身の研究における理論構築のためにも、対象にしているテーマや分野にある先行研究は網羅する必要があるといえる。一部分のみを調査し、見落としがある場合、自身の研究そのものの価値やニーズの有無についての判断を誤ってしまうかもしれない。判断のミスを防ぎ、問題解決に向けた研究方法など、研究の進行に直結する可能性のある情報を得るためにも、数多くの先行研究を参考にするべきだろう。
また、先行研究を調べることは、これまでに存在している研究の成果を理解することであり、自身の研究の立ち位置を確認したり、独自性や新規性を示す上でも重要なプロセスだ。
現在行われている研究のほとんどすべては、これまでの先行研究を踏まえて新たな考えが付け足されたものであるといえるからである。
先行研究を自身の研究に活かすための5つのポイントとは?
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先行研究を自身の研究に活かす際に気をつけたいポイントとしては、以下のものが挙げられる。
・自身の研究開発テーマに関連する論文を幅広く、また数多く集める
・論文の内容について、疑問がないか探りつつ読む
・複数の先行研究を比較して、共通する部分、または異なる部分を見つける
・先行研究において解決できていない課題を自身の研究開発テーマにつなげる
・先行研究で先入観を持ってしまうことを念頭に入れておく
自身の研究開発テーマや分野の先行研究を具体的に探す方法について紹介する。現状把握を誤ることがないように、複数の手段を利用して見落としのないようにして、先行研究を調べる必要がある。
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先行研究は原則、学術論文として発表されているものを参考にするため、雑誌に掲載されている場合、図書館に蔵書がある可能性が高い。論文を掲載している学術誌のラインナップが豊富な大学図書館や国立国会図書館の利用を検討するといいだろう。
大学図書館であれば、蔵書検索システムであるOPAC(Online Public Access Catalog:オーパック)を利用して、検索キーワードや書名などから読みたい雑誌や書籍の検索をすることができる。また、国立国会図書館では、所蔵している図書やデジタル資料といったデータがオンライン上で閲覧できるサービスがある。直接のアクセスが難しい場合でも、一度サイトを見てみることをおすすめする。
参考文献がすでに手元にある、もしくは図書館で参考文献や論文を取得できた場合、参考文献の引用リストから芋づる式に先行研究を辿っていく方法がある。また新たに見つけた参考文献から、同じことを繰り返すことで、関連している先行研究を網羅することが可能になるだろう。
また、引用リストから探す方法は最も関連した先行研究を見つけやすいといえる。研究分野における重要な論文も把握しやすい。
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論文のデータベースを利用する方法も簡便で有効な方法だ。学術論文のほとんどはデータベースにおいて管理されており、先行研究となるものについても同様である。
先行研究のほとんどは、データベースに管理されている。論文データベースは複数あるが、特に使いやすく、あらゆる学問分野をカバーしているサイトを紹介する。
論文データベースのサイトでは、キーワードを入力して論文を探すことができる。
CiNii(サイニィ)は、学術論文や博士論文、そのほか大学図書館の本、研究データやプロジェクト情報など、学術や研究に関わる内容について、誰でも一元的に検索できるデータベースサービスである。
国立情報学研究所(NII)が運用しているため、インターフェースが日本語であり、利用しやすい点が特徴だ。また、本文の内容でも検索が可能な点もメリットが大きい。
日本語の論文を探す際は、必ずチェックするようにしたいデータベースだ。
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J -STAGEは、「科学技術情報発信・流通総合システム」のことで、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST)が運営している電子ジャーナルである。J-STAGEでは、国内1,500以上の発行機関が、3,000誌以上のジャーナル、会議録、会議論文や研究報告などをスピーディーに公開しており、先行研究の最新の情報を取得することが可能だ。会員登録すると、検索条件の保存や刊行物の最新号発行の通知を受け取ることができる。
Google Scholarは、論文や学術雑誌、書籍、学術資料などが探せる検索エンジンであり、無料で利用できる。さまざまな研究分野について検索でき、前述のCiNiiやJ-stageなどの論文データベースの記事を、横断的にチェックすることが可能だ。また、Googleアカウントと連携できるため、論文を保存できるという点に特徴がある。さらに、ほとんどの場合、論文の全文についてPDFファイルを取得することができる点もメリットだ。
Anews(エーニュース)は、ストックマークが提供する情報収集プラットフォームだ。AIがユーザー行動に合わせて組織や業務に必要な情報を届けることが特徴で、国内外35,000サイト、800以上の学術雑誌から、自分にピッタリの市場・顧客情報や競合情報、自身の研究に関わる学術論文などを推薦してくれる。AIからの推薦に加え、上司や同僚が気になったニュース・論文も確認できるため、技術情報の読み逃しを防げることにも注目したい。
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先行研究を見つけられない原因は大きく4つあり、以下のものが考えられる。
・先行研究を探している方法に漏れがあり、先行研究を見落としている
・これまでの先行研究の成果から、研究価値が低いと考えられているテーマである
・難解、または研究や分析に利用することができる一次資料が乏しいため、研究の難易度が高い
・これまでに誰も扱ったことのない全く新しい研究開発テーマである場合
しかし、科学領域において、先行研究がないことはまずあり得ない。
先行研究を十分に見つけることができない場合は、調べ方を見直すと解決することが多いだろう。どのような分野であれ、研究分野内において浮かぶ疑問についてはすでに先行研究がある場合がほとんどだ。複数の論文データベースを徹底的に調査し、時には人の力を借りるなどして、諦めずに見つけよう。これまでにない新しい分野を研究する場合であっても、連関した分野は必ずあるはずだ。少しでも関係のありそうな範囲を調べ尽くす必要がある。
先行研究をほとんど調べることなく研究を進めてしまうと、根拠があいまいなまま思い込みのまま進めてしまう部分が出てくる恐れや、研究開発テーマそのものの価値や正当性が問われる可能性もあり得るため、先行研究はしっかり調査することが肝要だ。
どのような情報をどのように集めれば良いのか…
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先行研究を調べるプロセスは自身の研究開発テーマの指針を決定する上でも、そして、理論構築においても重要である。自身の研究に価値を持たせるためにも、テーマの独自性や新規性は欠かせない。そのため、先行研究を調査し、分析する必要があるのだ。また、日夜生まれ続ける研究成果についてもタイムリーに追っていくことで、研究や開発の質を高め、効率化を図ることができる。
一方、研究を続けながら世界中の膨大な情報を収集し続けることは難しく、収集するために取れる時間も限られている場合が多いはずだ。そのなかで、効率的に情報取得をするためには便利なサービスを利用することがおすすめである。オンライン上で、学術論文や類似技術を研究している他社事例など、さまざまな情報をリアルタイムで取得することができるAI情報収集プラットフォーム「Anews」を効率的に使って、自身の研究に活かしてみてはいかがだろうか。