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リモートワークにおける課題から考えるデジタルワークプレイスの構築に必要なこととは?

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新型コロナウイルスの影響の中、一時的とはいえリモートワークを余儀なくされる期間を過ごしたのは記憶に新しいだろう。各企業ではチャットツールやWeb会議システムなどのITルツールの導入を進め、デジタル上で働く環境の構築が進んできているはずだ。

その反面、これからはデジタルワークプレイスの構築に取り組んでいく必要がある。今回はデジタルワークプレイスの構築のために必要なことをリモートワークの課題から考えていく。

デジタルワークプレイスとは?

デジタルワークプレイスとは、ガートナー社の定義によると「ビジネスの成果の向上のために、これまでにないテクノロジーを活用することで、従業員のエンゲージメントを高め、より直感的に働くことのできる環境を目指すビジネス戦略」とされている。

リモートワークを推進するためのチャットツールやWeb会議システムの導入といった、デジタル上で働くためのITツールの導入に留まらず、従業員が自律的かつ創造的に活動できるような環境を構築することを目的としており、単に働く場所や時間にとらわれない環境を構築するだけでは不足している。

特に日本企業はリモートワークすらも本格的に稼働させるのは初めてだった企業も多いはずだ。次項からはリモートワークで変容しているコミュニケーションの在り方の変化を考えていく。

リモートワークで変わるコミュニケーションの在り方

オフィスワークとリモートワークでは業務上のコミュニケーションの在り方に大きな変化がある。

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オフィスワークでは、対面コミュニケーションが中心であったのに対し、リモートワークは在宅勤務となるため、 メールやチャットでのコミュニケーションが中心となる。これまでの対面コミュニケーションで得られていた、その場の雰囲気や相手の表情、動作などの言語情報以外の情報が得られなくなり、テキストでのコミュニケーションが必要となってくる。

ここに大きな落とし穴がある。従業員が自律的かつ創造的に働くデジタルワークプレイスを構築するにあたっては以下の3つの課題を解決することが必要になる。

1.メンバー同士の相互理解の減退と心理的安全性

「心理的安全性」という言葉はご存知だろうか?心理的安全性とは、「一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態」のことを指す。Google社が、チームのパフォーマンス向上のためには、心理的安全性を高める必要があると発表してから注目を浴びている。

参考:https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/

心理的安全性が担保されている状態とは「無知・無能・ネガティブ・邪魔」という4つの行動を起こしても、このチームであれば許容される、問題がないとメンバーが思えるかどうかである。この状況をメールやチャットのみのやり取りで創出することができるだろうか?

2.混在するオフィスワークとリモートワークが起こす情報格差

緊急事態宣言が解除された今、徐々にオフィスで働き始める人も増えており、オフィスワークとリモートワークの両方の働き方が混在しているだろう。

ここに情報格差を生み出す危険性がある。

例えば、会議を開くときにあるメンバーはオフィスから一緒に参加し、あるメンバーは在宅勤務のためWeb会議で参加をする。上述したように、対面でのコミュニケーションが可能な人は得られる情報量が多くなる。そのため、オフィスにいる人の方が議論に参加しやすく、発言量が自然に多くなってしまうという状況に陥りやすい。

これは一例であり、オフィスで働くことで発生する雑談や隣にいることでわかる同僚や部下の業務への取り組み、背後で聞こえる会話などあらゆる側面で情報格差が生じる可能性がある。この状況は従業員のエンゲージメントを下げてしまう要因にもなりかねない。

また、業務における外部の情報収集においても、これまではオフィスにいたからこそ実現していたちょっとした共有が減り、ナレッジ共有がされなくなっていく。情報感度の高い組織やチームでない限りは、情報収集が属人化していく。外的環境の情報収集においても情報格差が生まれていく結果となる。

3. “雑談” から生まれる新しい発想の減少

“雑談”の延長で新しい発見やアイディアが生まれる経験はないだろうか?上司とランチのときに話をするとき、同僚と廊下で立ち話をするとき、ある考えをぶつけると今までにはない解釈が発見できたり、解釈と解釈をぶつけ合うことで新しいアイディアが着想される。

これは “意味のイノベーション”と呼ばれるものである。

これまでは「課題」が先行して提示され、解決策そのものがイノベーションであることが多い時代であった。しかし、現代は「課題の減少」と「解決策の同質化」が起きている。例えば、Apple社がiPhoneを出す前までの携帯電話はほとんどの企業が同じようなモデルを販売していたことは典型的な解決策の同質化によって起きた事例と言っていいだろう。

“意味のイノベーション”とはそもそも設定されている「課題」に対して、なぜを問い、解釈をぶつけることで「課題」に意味を与えることである。この過程を経ることで、課題を再定義し、これまでにない解決策を見つける手法のことである。

通常の業務の中で意識的には行われることは少ないが、 “雑談”という1つのコミュニケーションスタイルの中で自然に発生し、チーム全体の業務が改善されたり、新たな事業のタネが生まれていた源泉になっていた。

デジタルワークプレイスを構築していくためには?

社員が自律的かつ、創造的に働く環境とはデジタルツールを活用するに留まらないことはご理解いただけたと思う。その上で、上述したコミュニケーションの変化による課題を解決し、新しい価値を生み出すための仕組みと工夫が必要である。

まずは、デジタル上で働くための環境を整備することから始まるが、本当のデジタルワークプレイスがどういうものかを想定しつつ、社内の教育環境や対面コミュニケーションに変わるような代替手段を検討することを考えていく必要があるのだ。

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