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時代の変化によって変わりゆく製造業のビジネスモデルとは?打ち手を考えるポイントも紹介

VALUEと書かれた積み木

昨今の社会情勢は複雑に変化し、それに伴い顧客の価値観も多様化している。さまざまな顧客ニーズに応えるため、製造業のビジネスモデルはどのように変化しているのか?時流に乗れず置いていかれないためには、どのようにビジネスモデルを改革する必要があるのか?

今回の記事は、製造業のビジネスモデルの移り変わりと、今後のビジネスモデルの構築に何が必要であるかについて解説していく。

 製造業のビジネスモデルの移り変わり

インターネットの普及や技術革新が進むにつれ、人びとの価値観やニーズは変化し続けている。それに伴い製造業のビジネスモデルも過渡期を迎えている。「いままで」と「これから」でビジネスモデルがどのように変化しているのか解説する。

 いままで:「モノ」の販売を通じて価値を提供する

モノとはハードのことで、車や衣類など形のあるものを指す。これまでの製造業におけるビジネスモデルは「モノ」の販売が主流であった。なぜなら顧客がモノを購入し、「所有する」という事に価値があるとされていたからだ。価値の高いモノを所有することを目的とし、それによって満足感を感じる消費傾向のことを「モノ消費」という。そのため、企業である売り手側もモノであるプロダクトに焦点を当て、より性能や機能の良い製品の開発や、簡単に早く手に入るという需要を満たすことに注力していた。

 これから:「モノ」から「コト」へ

従来の「モノの消費」は、企業がモノを生産して提供する売り切りのビジネスモデルであったが、時代の移り変わりにより「コト」を重視する「コト消費」が見られるようになった。

「コト」としてサービスを提供するサービスビジネス化を進めるということは、顧客との関係性をいかに長く継続し、1日でも長く利用し続けてもらうかを考える必要がある。つまり、リソースの使い方や、必要な技術など、従来とは全く異なるのだ。そのため「モノ」から「コト」への変革は、製造業にとって非常に難しい課題である。

 「モノ」の販売だけでは不十分となりつつある背景

ここでは、製造業が「モノ」だけを作っているだけでは、いずれ行き詰まってしまう理由として2つの背景について解説する。

 消費者の価値観の変化

インターネットの普及により、今や多くの人がスマートフォンやPCで毎日インターネットに触れるのが当たり前の時代となった。これにより消費者のモノに対する価値観に変化が現れた。

インターネット普及以前の経済成長期ではモノを「所有」している事がステータスであった。しかし、多くの人に必要とされるモノが行き渡る消費の成熟化が起こり、ネットの普及も相まって、人びとの価値観が多様化し細分化が進んだ。かつては店頭に赴かなければ購入することができなかった商品が、ネット上でいつでも簡単に購入できるようになった。情報やモノは溢れかえり、ネットを検索すれば商品の情報やクチコミを確認することができる。たくさんある商品の中から、自身にマッチする商品を消費者自らが選択できるようになったのだ。つまり、企業にとって都合の良い情報だけを発信することは不可能になり、顧客に選択される立場になったということから、良いモノだけを作っているだけでは激化する競争に勝てなくなってしまうのだ。

 技術革新による「コモディティ化」の進行

コモディティ化とは、「一般化」とも言われれ、対義語として「差別化」がある。差別化とは、他社の製品と機能や、品質、プランド力などの付加価値の差を打ち出すものである。つまり、コモディティ化は、似た商品の出現により付加価値であったはずの差が均一にならされ、市場価値が低下することである。コモディティ化が起こると、比較対象が商品の価格や入手のしやすさに絞られ、結果的に企業は価格競争せざるを得なくなるのだ。

 コモディティ化から脱却するために必要なこと

コモディティ化を対策するためには、企業としての存在意義を明確にし、より差別化を図っていく必要がある。技術革新によって製品の基本的な機能や品質というものは、余程技術力が不足している企業でない限り大きな差は出ない。また、仮に差別化して魅力的な機能を取り付けたとしても、それが誰も再現できないような代物でもない限りすぐに一般化されてしまう。とはいえ、無差別に多数の機能を取り付ければ良いというわけでもない。顧客ニーズと合致せず利用されないのであれば、差別化ができているとはいえない。

では、他の企業が簡単に追随できないような付加価値の高め方や、本当の意味での差別化とはどのようにしたら実現できるのだろうか?それには資本力だけに頼らない付加価値、たとえば人的リソースを活用したアフターサービスなどが有効である。顧客に寄り添い、人の繋がりを絶やさないようにすることで差別化を図るのだ。つまり、「モノ」の販売だけを行っていては、コモディティ化から脱却することはできない。この差別化戦略こそが今後必要な競争力の要である。

 製造業のビジネスモデル変革のために必要な観点とは?

顧客ニーズや取り巻く状況の変化に対応し、ビジネスモデル変革を実現するためには、どのような観点で考える必要があるのだろうか?今回は、「デザインシンキング」と「市場ニーズを事業開発に結び付けるポイント」について紹介する。

 デザインシンキングを行ってみる

「モノ」から「コト」へビジネスモデルを転換していくには「顧客の視点に立つこと」が必要である。ユーザー目線で本質的な課題やニーズを捉え解決する手法として「デザインシンキング」が注目されている。

価値観の多様化、大量生産の衰退が起こる今の世の中において、新しい価値観を持つ顧客に寄り添い高い頻度でイノベーションを起こしていく必要がある。顧客に必要とされるものとは「困りごとを解決するもの」である。ただ単に便利やお得なだけでは必要なものにはならない。困りごとを解決するものを見つけるために、デザインでのアプローチがおすすめだ。

 デザインシンキングの5つのプロセスから導き出す潜在課題の解決策

デザインシンキングでは5つのプロセスがあり、そのプロセスを一方通行ではなく、相互に行き来する特徴がある。

・共感:ターゲットを観察し、共感する
・定義:本質的な課題を見つけ定義する
・創造:解決へのアイデアを出す
・試作:プロトタイプを作成する
・検証:テストを行い、フィードバックを得る

ここでのポイントは、ターゲットとなるユーザーの視点に立てるかである。実際にユーザーのように体験したり、アンケートやインタビューなどでユーザーに接触し、観察を行うなどの方法がある。しかし、ユーザーの意見をそのまま捉えるだけではなく、「理想とする未来」の仮説を立て、その未来とのギャップから新たな着想を得るようにすることが重要だ。なぜなら、ユーザーは「いま」のことしか答えてくれないからだ。要望を解決することだけを追っていては、いつまで経っても要望が増え続けイタチごっことなってしまう。大切なことは、潜在的な困りごとや理想とする未来と、それに対する解決策の仮説をしっかりと立てることだ。そして、ユーザーからのフィードバックを得て、完成度を高めていく検証することも忘れてはいけない。

 市場の声を、適切な情報収集を通じて理解して、事業開発に結び付ける

ビジネスモデルの改革、そして今後の状況に適応して生き残るためには、何よりも「情報収集」を怠ってはならない。インターネットが普及した超情報化社会においても情報は金にも勝る最大のリソースであると言える。

コモディティ化が急速に進む中、どのような競合が現れ、どのような技術が生まれているのかを迅速に捉えるスキルは重要である。また、差別化戦略を実行するためのデザインシンキングにおいて、潜在的な課題や求められる未来の仮説を設定するために、顧客から得られるデータだけではなく、社会情勢や社会問題などの広域的な情報を取得し、世の中を俯瞰してみることが求められる。そういった網羅的な情報を集めるためには、すでに人の情報処理能力を超えた膨大な情報を集めなければならない。近年の情報収集には、収集を効率化しサポートしてくれるツールやサービスの活用が必要不可欠となりつつある。

たとえば『Anews』であれば、国内外30,000以上のメディアをAIが探索し、ユーザーに「いま必要な情報」を取捨選択して届けるサービスだ。必要な情報を得るためにネットを探し回る必要がなく、情報を得て課題や未来の仮説を立てるなどの分析に時間を使うことができるようになる。

また、情報収集のプラットフォーム内でチームメンバーとコミュニケーションが取れる環境となっている。気になった記事をメンバーに共有したり、コメントのやり取りができるようになっているため、イノベーティブな会話のきっかけづくりにも役立つだろう。

 まとめ

製造業のこれまでとこれからのビジネスモデルについてみてきた。今後、競争を生き抜いていくためには、「顧客のニーズに沿った独自の商品開発とサービスの提供」と「課題や未来を描くための情報収集」が必要不可欠である。

情報収集は想像以上に時間を使う。また共有する文化が、まだ根付いていない日本において、情報収集の効率化や共有する習慣作りはアドバンテージとなるであろう。できるだけ多くの適切な情報に触れ、アイデアを共有し検証していく。それがビジネスモデル改革の第一歩になることは間違いない。まずは、そこから始めてみてはいかがだろうか。