2024年以降の半導体市場の見通しは?需要や各国の動向について
製造業
CO2排出量を削減できることから、ここ数年注目が集まっている電気自動車。国内の販売台数のうち、電気自動車が占める割合は2%台とまだ本格的な普及には至っていない。近年は、ハイブリッド車(HEV)、燃料電池車(FCEV)なども登場し、まとめて次世代自動車とよぶこともある。
本記事では、改めて電気自動車とは何か、電気自動車の仕組みや構造、特徴などについて解説したい。
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目次
電気自動車とは、ガソリンではなく電気をエネルギーに動く自動車のことを指す。旧来のガソリン車は、ガソリンスタンドで給油し、その燃料を駆動力として走行する。それに対し、電気自動車は搭載されているバッテリーを充電し、電力によってモーターを動かす。
近年は電気自動車も細分化が進んでおり、バッテリー式電気自動車(BEV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)など、さまざまな種類が存在する。どれも電気を動力源に用いることは共通しているが、仕組みや構造はそれぞれ異なる。
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一般的にEVと呼ばれているものは電気のみを動力源として走るBEVを指すことが多い。xEVは、HEV、PHEV、FCEVなどを含めた電動車のことで、諸外国ではEV全体を表す場合に用いることが増えてきている。日本ではまだ混在して使われているのが現状だ。
電気自動車は、バッテリーに蓄えた電気でモーターを駆動させて走行するが、水素自動車は、水素を燃料にして走る自動車のことを指す。水素自動車には2種類あり、1つがガソリンのかわりに水素を燃料にして動かすタイプ、もう1つが水素と酸素を用いて発電した電気でモーターを駆動させる燃料電池車(FCV)だ。
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電気自動車と切っても切り離せないのが自動運転だ。現在、海外ではすでに自動運転レベル4の実用化が進んでいる。日本国内では、2020年4月に道路交通法が改正され、自動運転レベル3の実用化が始まった。
自動運転は、従来のガソリン車で実現することは物理的に可能ではある。しかしながら、自動運転を実現するためには、電子部品やバッテリーを追加で搭載しなければならない。ガソリン車には約3万点もの部品が使用されているとされており、新たな部品を搭載することは決して容易ではない。また、ガソリン車よりも電気自動車の方が仕組みがシンプルなため、構造に起因する誤作動のリスクが少ないことも、自動運転に電気自動車が選ばれる理由である。
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CO2排出量削減の観点から、電気自動車(EV)がメディアで特集されるようになったのはここ数年〜数十年のことだが、その歴史は意外にも古い。
諸説あるが、1828年にハンガリーの物理学者であるイェドリク・アーニョシュ・イシュトヴァーン氏が開発した試作車が起源とされている。ただし、これは人が乗るための車ではなかったため、電動で走る車の第一号といわれている。その後、1830年代にはスコットランドの科学者ロバート・アンダーソン氏が一次電池を使った世界初の電気自動車を発明。1886年には、イギリスで世界初の電気自動車が発売された。ちなみに、ガソリン車はその5年後の1891年に発売されている。1899年にはガソリン車よりも早い段階で初めて時速100kmを突破。アメリカの国勢調査によると、1900年には自動車生産台数の28%が電気自動車が占めていたとされている。
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しかしながら、1908年にアメリカのフォード・モーター社が「T型フォード」を発売。ガソリン車が主流となり、電気自動車の研究開発は一時、衰退期に突入していく。
さらに、1950年代になると朝鮮戦争の影響で、当時、電気自動車のバッテリーの原料となっていた鉛が軍需物資となり、価格が高騰し入手困難に。1954年にはガソリン供給の統制が解除され、電気自動車の優位性が失われてしまう。石油ショックを機に再び脚光を浴びたが、ガソリン車の技術発展やガソリンスタンドなどのインフラ普及に敵わず、電気自動車は後退していった。
1990年代初頭にアメリカ・カリフォルニア州が制定したZEV法から、世界の風向きが変わり始めた。ZEV(Zero Emission Vehicle)法とは、CO2を一切排出しない車の販売比率を定める制度で、カリフォルニア州ではZEV販売比率を2003年までに10%まで引き上げることを発表。その後、各国が導入した経緯がある。しかし、先に述べた目標は技術的に達成困難であると判断され、現在は、無排出車両だけではなく超低排出車両も対象に含まれるようになった。
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電気自動車が普及することで、CO2排出量の削減だけでなく、さまざまな社会課題の解決につなげることができる。
電気自動車に搭載されているバッテリーから電力を取り出せば、家庭用電源として使えるため、停電時や災害時などの非常電源として重宝する。たとえば、バッテリーの容量が40kWhなら、3〜4人家庭の消費電力量に換算すると約3、4日分の電力量を賄うことができるとされている。
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動力を生み出すプロセスにおいて、ガソリンではなく電気を使用するため、CO2を含む排気ガスが発生しない。発電時や製造時には二酸化炭素を排出しているという指摘もあるが、太陽光・水力・風力などの再生可能エネルギーを用いることで、今後これらの問題は解消していくものと思われる。
従来のガソリン車は、エンジン内部でガソリンを爆発させて熱を起こし、その熱で空気を膨張させて力を発生させる。そのため、大きな音や振動が発生し、しばしば騒音などの問題に発展してしまう。しかし、電気自動車(HEV含む)は走行音が小さく、早朝・深夜時も静かな走行が可能となる。
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一方で、電気自動車の普及・利用にあたって解消されていない問題点や課題もある。
電気自動車の航続可能距離は、1回の充電で一般的に約200〜600kmだ。満タン時には航続可能距離が500〜1,500kmのガソリン車と比較すると短い。しかしながら、航続可能距離が1,000kmを超えるモデルも登場してきており、じきにガソリン車に追従するといわれている。
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ガソリン車の給油は数分程度で済むが、電気自動車ではインフラがまだ整備されていないため、充電設備や出力ワット数、充電の種類によって大きく時間に差が出てしまう。普通充電でフルの状態にするまでには、およそ8〜14時間程度を要する。
それに対し、急速充電では15〜30分とガソリン車に引けを取らないスピードで完了する。ただし、急速充電が可能な施設は少ないうえに導入コストが高く、広く普及しているとは言い難い。
年々増えてきてはいるものの、電気自動車が充電できる場所は少ない。2022年3月時点で、日本国内にある電気自動車の充電スポットは21,198ヶ所でガソリンスタンドの総数のおよそ60%に匹敵する。電気自動車のユーザーが増加すると、サービスエリアやパーキングエリアなど、充電待ちを原因とした渋滞が懸念されており、充電場所の拡充が急がれる。
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「電気自動車は普及しないのではないか」という予測も立てられているが、その多くはバッテリー寿命や航続距離など、技術的課題に因るところが大きい。いずれにしても、2050年カーボンニュートラル実現という大目標に向けて、電気自動車の研究開発や実用化は避けて通れないだろう。ブレイクスルー技術が登場すれば、一気に世界中で実用化・量産化が進むものと思われる。今後に注目したい。