お役立ち資料一覧へ お問い合わせ
MENU CLOSE
  1. Stockmark
  2. coevo
  3. 社会トレンド
  4. 期待されるメタバース市場!製造業ではどう活用できる?

期待されるメタバース市場!製造業ではどう活用できる?

Virtual reality goggles and VR simulator

現代社会を支える技術発展はめざましく、十年前には考えられなかった程にインターネットの世界は拡大を続けている。仮想空間である「メタバース」もそのひとつであり、今後も発展が期待されている領域である。

この記事ではメタバースについて、その概要と現在どのような活用がされているのか、そして今後どのような発展が見込まれているのかについて解説する。

膨大な情報のリサーチにお困りですか?
「情報収集AI」で情報収集の抜け漏れ、偏り、時間がかかるの問題を一手に解決!
▶️資料のダウンロードはこちらから

 メタバースとは

メタバース(Metaverse)とは、Meta(超)とUniverse(宇宙)を組み合わせた造語だ。通信ネットワーク上に形成された仮想空間のことを指す。米国の作家ニール・スティーヴンスン氏の1992年出版のSF小説「スノウ・クラッシュ」に登場する架空の仮想空間サービスの名称が由来だ。

まだ明確な定義はないが、日本においてはVRゴーグルなどを使用して利用することのできる3DCGのバーチャル空間のことを指すことが多い。将来的には、ユーザーはオンライン上に構築された3DCGの仮想空間の中で、それぞれアバターの姿で参加し、世界中の人々とコミュニケーションを取ったり、買い物や販売などの経済活動を行なったりと、現実とは別のもうひとつの現実として過ごすことが可能になるだろう。2030年には5兆ドル規模の市場に成長するのではないかとの予測もあり、メタバースの発展に全世界が期待を寄せていることが窺える。

膨大な情報のリサーチにお困りですか?
「情報収集AI」で情報収集の抜け漏れ、偏り、時間がかかるの問題を一手に解決!
▶️資料のダウンロードはこちらから

 現在の活用状況

メタバースは近年急速に認知が広がりつつある。MMD研究所の調査※1では、メタバースの認知度は既に43.4%となっている。サービスを利用したいかという設問においては、56.5%が「やってみたい」と回答しており、今後のメタバース利用者の増加は確実であろう。このように広がりを見せるメタバースが、現在どのような活用がされているのかについてご紹介する。

 オンラインゲームとして

メタバースが最も浸透しているのはオンラインゲームだ。有名なところでは「あつまれ どうぶつの森」「フォートナイト」「マインクラフト」が挙げられる。オンライン上で世界中からアクセスでき、同じ空間を共有してプレイを楽しむことができ、これらのゲームは幅広い世代に知られている。オンラインゲーム内の仮想空間では、ユーザー同士でコミュニケーションが取れ、またアイテムに課金して購入アイテムをゲーム内で使用することができる。

 ビジネスのプラットフォームとして

ビジネスにおけるプラットフォームとしても注目度が上がっている。国内では、百貨店業界売上首位の三越伊勢丹の活用事例がある。スマートフォン向け仮想都市空間を提供するアプリ「REV WORLDS」を使って「仮想伊勢丹新宿店」をスタートさせた。ユーザーは仮想店舗内で仮想ならではのショップ空間を楽しみつつ、現実世界でも販売されている商品をオンラインで購入することができる。アバターを使用し、ショップ店員とユーザーの交流も可能だ。

膨大な情報のリサーチにお困りですか?
「情報収集AI」で情報収集の抜け漏れ、偏り、時間がかかるの問題を一手に解決!
▶️資料のダウンロードはこちらから

 注目されるメタバース、その理由と成長要因

メタバースが急速に広まった背景にはどのようなものがあるのだろうか。ここではその理由と成長要因について解説する。

 新型コロナウイルスの感染拡大によるコミュニケーションのデジタル化

新型コロナウイルスによって、大規模に人が集まるイベントなどは制限され、仕事のテレワーク化も進み、人々が家で過ごす時間が圧倒的に増えた。その中で、コミュニケーションのデジタル化が進んだのは必然的といえるだろう。これにより、オンライン会議サービスやチャットサービスが一気に普及し、メタバースもその延長線として、より対面に近いコミュニケーションツールとして注目された側面がある。

 大手企業の参入

メタバース市場を盛り上げている一因として、大手企業の参入が挙げられる。米Facebook社が社名をMetaにしたことも大きな話題となった。また、Meta社はVRゴーグル開発などを行なっていた米Oculus社を買収、技術を獲得し、現在はMeta  Quest 2というVRゴーグルを販売。メタバース「Horizon  Worlds」を展開しており、Meta社の注力具合が窺えるだろう。

また、日本国内でもキヤノン、ソニー、リコーといった大手企業が参入し、新規事業開拓を行っている。社会へ浸透することを見越して早期に大手企業が資金を投入することにより、ますますの発展が見込まれ、規模の拡大と市場の活性化につながる。

 NFT技術

昨今注目されている技術であるNFT技術との互換性、親和性が高いこともメタバースの発展を支える一因である。メタバース内での経済的取引において課題となるのが不正コピーだ。デジタルデータは現実の商品と違い複製が容易で、不正コピーによって商品価値が下がってしまう可能性が大いにある。その課題を克服できる手段として注目されているのがNFT技術である。

NFTは「non-fungible token」の略であり、非代替性トークンを意味する。ブロックチェーン技術によって代替不可能なデータとすることができ、複製不可能な唯一無二のデータとなる。そのため、不正コピーによって商品価値が下がる恐れがなくなり、安心して取引に使用することができるようになるのだ。

NFT技術以外にも、VRなどのバーチャル技術の進展や、5Gなどの情報通信分野の発展もメタバースの追い風となっている。

膨大な情報のリサーチにお困りですか?
「情報収集AI」で情報収集の抜け漏れ、偏り、時間がかかるの問題を一手に解決!
▶️資料のダウンロードはこちらから

 将来の市場規模予測

将来の市場規模については各所で予測が立てられている。たとえば、マッキンゼー・アンド・カンパニーのレポート※2では、2030年までに5兆ドルに成長する可能性があるとまで言及されており、米金融大手シティグループは、2030年に8〜13兆ドルとさらに大きな数字を期待値として発表している※3。そのほかの直近の予測では、2021年末に大手総合情報サービス会社である米Bloomberg社が2024年に8,000億ドル規模になる可能性があるという予測を出している※4。その市場の内訳は、半分がゲーム関連となり、ついでライブイベントが大きな比率になるのではないかという見通しを立てている。

各社で予測にばらつきがあるのは、メタバースの定義が定まっていないため、VRやAR、MRなどのxRデバイスを使用した参加型の市場のみとするのか、スマホやPCなどのマルチデバイスでアクセスできる視聴型を含めるのかなど、どこまでをメタバースと捉えるかにより振れ幅が大きくなる。しかし、ほかにも数々の調査会社などで予測が立てられているが、軒並み市場規模は拡大するとの見方を示していることは変わらない。

膨大な情報のリサーチにお困りですか?
「情報収集AI」で情報収集の抜け漏れ、偏り、時間がかかるの問題を一手に解決!
▶️資料のダウンロードはこちらから

 今後の動向は?製造業におけるメタバースの活用予測

メタバースはライブなどのエンターテイメント分野やWeb会議などのビジネス分野での活用が予測されることが多いが、製造業でもメタバースの活用は十分見込まれる。ここでは特に多くのベネフィットが見込まれる3分野について解説する。

 製品プロモーションやマーケティング

メタバースは製品プロモーションでの活用に大いに期待できる。たとえば、製品を疑似体験できるようなショールームなどをバーチャル上に構築することで、遠方の潜在ユーザーなども含め実際に足を運んで体験することができない層に対してもアプローチできるようになる。そのほか、新製品などのプロモーションイベントなどもメタバース内で配信することができ、リアルイベントでは難しいような演出も仮想空間上であれば可能であるため、より望ましい形で製品発表などのプロモーション展開をすることができるだろう。また、メタバース内でショップを開くこともでき、接客も行えるため、オンライン販売の形も今後変容していく可能性がある。

 設計業務での活用

業務でもコミュニケーションツールのひとつとしてメタバースの活用は可能だ。対面に近いコミュニケーションによるリモートワークの生産性の向上のほか、製造業においては設計業務での活用が期待されている。具体的には、メタバース内で製品の設計データを構築することで、実物大の製品をバーチャル上で実際にチームメンバーなどで共有し、設計レビュー、調整などを行うことができるようになる。遠距離の拠点同士でも連携することができ、複数のデバイスから単一のデータに接続し、リアルタイムでアバターを利用したジェスチャーなどの細かいニュアンスを含めた会話を行いながら共同作業が可能となる。

 シミュレーションによる効率化

製造業で今後期待されるメタバースにデジタルツインがある。デジタルツインとは、IoTやエッジコンピューティングなどを用いて現実世界の情報を収集し、集めた膨大なデータを使ってデジタル上に同じ環境を構築、再現することだ。デジタルツインにより、生産ラインの可視化やシミュレーションを行うことができ、さらにAIによる分析を加え、現実世界にフィードバックを行うことで、生産性や品質の向上が期待できる。現実世界では試すことの難しいシミュレーションも、バーチャル上であればハードルが下がり、さまざまな可能性を試し評価することができる。実際に独BMW社では半導体メーカーである米NVIDIA社が提供する「Omniverse(オムニバース)」により、ロボットと人が効率よく協働できるようシミュレーションを行っている。このように生産ラインを最適化する試みは既に実戦投入され始めている。

膨大な情報のリサーチにお困りですか?
「情報収集AI」で情報収集の抜け漏れ、偏り、時間がかかるの問題を一手に解決!
▶️資料のダウンロードはこちらから

 急成長を遂げるメタバース市場!変わりゆく状況を的確に捉えるために必要なこと

メタバースは今後ますます発展する領域として注目され、今後も進展していくと予測されている。製造業においてもメタバースの活用の事例が増え始め、その潮流は無視できるものではないだろう。

急成長を続ける市場の変化をキャッチアップするためには、現在どのような企業がいて、新しく参入しようとしている企業はどのような企業なのか、各社の現在や今後の取り組みや事例など、さまざまな情報を集める必要がある。またそれらの情報を、一度だけでなく定期的に最新の情報に更新し変化を追うことが、急成長する市場の動向を把握するためにはとても重要だ。将来の活用を見据えて、今から情報収集を進めてみてはいかがだろうか。

Anews資料DLバナー

参考記事

※1)「メタバース(仮想空間)の利用経験は5.1%、認知は43.4%利用経験者のうち、メタバース内で60.0%が買い物・課金をしたことがあると回答」
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2062.html
※2)「Value creation in the metaverse」
https://www.mckinsey.com/~/media/mckinsey/business%20functions/marketing%20and%20sales/our%20insights/value%20creation%20in%20the%20metaverse/Value-creation-in-the-metaverse.pdf
※3)「METAVERSE AND MONEY」
https://ir.citi.com/gps/x5%2BFQJT3BoHXVu9MsqVRoMdiws3RhL4yhF6Fr8us8oHaOe1W9smOy1%2B8aaAgT3SPuQVtwC5B2%2Fc%3D
※4)「メタバース、次世代技術プラットフォームの市場規模は8000憶ドルに達する可能性」
https://about.bloomberg.co.jp/blog/metaverse-may-be-800-billion-market-next-tech-platform/