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製品開発のプロセスは?開発プロセスのステップを分かりやすく解説

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製品開発プロセスとは、新しい製品を市場に出すために必要な一連のステップを指す。このプロセスには、市場調査や競合分析、アイデア出しやロードマップの作成、MVP(Minimum Viable Product)の開発などが含まれる。製造業における製品開発には何年もかかることがあるため、いかに開発を成功させるためのプロセスを確立するかが重要となる。

この記事では、製品開発の5つのプロセスと開発におけるポイントについて解説する。

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 製品開発プロセスの5ステップ

製品開発プロセスには市場の機会の探索や、戦略の作成・検討など多くのステップがある。ここでは、一般的な製品開発プロセスを順を追って解説する。

 ステップ1 市場機会を探る

商品開発の目的は、企業側が作りたいものを開発することではなく、市場が求めているものを開発することだ。そのためには、市場や顧客を深く理解し、自社が入り込める余地があるかどうかを十分に検討し、市場機会を発見することが不可欠となる。

正しく判断するためには、判断材料となるさまざまな市場に関する情報を収集することが重要だ。たとえば、市場動向、市場規模、競合情報、法律や規制の変更などの外部環境に関する情報などだ。また、顧客のニーズを探るために、顧客の現在の不満や課題、課題解決のためにどのような行動を取っているのか、その製品を選んだ理由などを知ることも重要だ。これらの情報を基に、市場に必要とされる製品を開発することが重要となる。

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 ステップ2 新製品コンセプトの開発

製品コンセプトとは、それがどのような製品で誰にどのような価値を与えるのかということをわかりやすい言葉で表現したものだ。ここでは、新製品コンセプトを構築するうえで必要な要素と流れを解説する。

 製品アイデアを出す

最初は、顧客のニーズや市場調査、競合調査などのデータをもとに、商品やサービスのコンセプトについてアイデアを出し合う。その際に求められるアイデアには、大きく分けて「シーズ型」「ニーズ型」の2つがある。

シーズ型のアイデアは、自社のコア技術などの強みをどのように活かすかという発想が主体となる。ニーズ型のアイデアは、顕在化している市場のニーズを解決するために自社技術をどのように活用できるかという発想である。

シーズ型のアイデアは、企業自身が提供できる製品やサービスに対しての視点が強く、自社の競争力を高めることができるというメリットがあるが、市場ニーズと合致しなければ売れることはない。一方、ニーズ型のアイデアは、顧客ニーズに合わせた提案ができるため、市場の需要に合わせた製品やサービスを開発することができるというメリットがあるが、ニーズを把握することの難しさや、似たような製品となりやすく優位性を築きにくいというデメリットがある。どちらの型にもメリットやデメリットがあるため、アイデア開発はシーズ型とニーズ型の両方の面からアプローチできることがベストである。

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 アイデアのスクリーニング

アイデアを収集したら、その中から優れたアイデアを選別する必要がある。ただし、単にユニークであるだけでなく、実現率や成功率が高いアイデアであるかどうかの観点からも検討する必要がある。そのためには、企業の経営理念や事業ドメイン、経営資源、市場性、実現性など、さまざまな観点からふるいにかけることが必要だ。選定の際には以下のような点を押さえておきたい。

ー既存の製品に同じようなものがないか

既存製品のなかに、同じ課題解決を目的とするものがないかを確認しなければならない。もし既存の製品がある場合は、その製品との差別化が重要となる。自社の製品が他社のものよりも優れているポイントを明確にする必要がある。

ー独自性のある製品か

独自性がある製品は、顧客に魅力を伝えやすくなり、競合他社と差別化を図ることが可能となる。そのため、選別のポイントの一つとして、独自性のある製品かどうかを検討することが重要だ。「今までの商品と違いがない」とユーザーに思われてしまうと、価格競争が起こりやすくなる。また、技術的な部分でも目新しさがなければ、他社から真似をされてしまうリスクも高まる。したがって、商品やサービスのコンセプトや特徴について、客観的な視点から独自性があるかどうかを確認する必要がある。

一方、新しいコンセプトを売り出す場合、その製品がお金を支払って購入する価値があるものなのかどうかも重要なポイントとなる。市場が新しい製品やサービスを本当に必要としているのか、またはそのような製品やサービスが市場に新たな需要を生み出す可能性があるのかどうかを慎重に調査し判断しなければならない。

 製品コンセプトの開発

製品のコンセプトとは、具体的にイメージできる製品のアイデアでなければならない。ユーザーが使用する場面や時期、どのように役立つのかなどをわかりやすい言葉に落とし込む必要がある。このコンセプトが確立されると、新製品開発に携わる関係者が共通言語を持つことができ、顧客の望む製品を実現するために必要な一体感が生まれる。もしイメージできない点がある場合には、情報を整理し再検討することが必要となる。

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 ステップ3 戦略の作成・検討

新製品のアイデアが決まったら、次はマーケティング戦略を立てて売り上げや利益を予測する必要がある。ここでは、マーケティング戦略を立てる方法と売り上げや利益を予測する方法を詳しく解説する。

 マーケティング戦略を立てる

マーケティング戦略の作成・検討の過程で、まずはターゲット市場の市場特性、ポジショニング、マーケティング目標を明確にする必要がある。その上で、中長期にわたるマーケティングミックス戦略やマーケティング予算を定める。この際に、SNSやブログなど、製品をアピールするためのチャンネルも併せて選定する。

 売り上げや利益を予測する

次に、新しい製品の複数の状況に合わせた売上シミュレーションを予測する。同時に原価率、利益率を推定し、事業として成立するかどうかの検討を行う。複数の状況とは、大きく分けて「楽観的」「現実的」「悲観的」の3つのパターンだ。

・「楽観的」シナリオ

市場が大きく拡大することを想定して、製品の売り上げが大きく伸びるという楽観的な予測を立てた場合だ。このシナリオでは、市場が急成長している場合や、競合が少ない場合などを想定する。

・「現実的」シナリオ

市場の成長率や競合環境などの市場調査の情報を踏まえた現実的な予測を立てる。

・「悲観的」シナリオ

市場が低迷や縮小している場合や、競合が多く競争が激化していることを想定して、製品が売れないという悲観的な予測を立てる。このシナリオは、リスクマネジメントの観点からも重要な視点となる。

この段階で戦略目標を達成できなさそうであれば、製品コンセプトの段階からマーケティング戦略を練り直す必要がある。

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 ステップ4 試作品を開発してテストを行う

製品コンセプトを確立し、マーケティング戦略を練り上げたら、次は試作品を開発し、実際の顧客からのフィードバックを得るためにテストマーケティングを行う必要がある。ここでは、試作品を開発してテストを行う流れを解説する。

 試作品を開発する

試作品を作成するメリットは、本格的な製造開始を前にリスクとなりそうな要素を特定できることだ。試作品で実用性や顧客の反応を測り、問題がなければ製品化を進める。この段階で後発メーカーの参入をできるだけ阻止するために、開発に関する特許申請も行う。

 テストマーケティングを行う

まずは地域や対象顧客を限定し小規模なテストを行い、反応を予測する。小規模なテストで反応を確認することで、多額の損失を回避できるだけでなく、需要不足による損失を回避することができる。また、テストマーケティングを行うことで、想定していた市場性と現実のニーズが一致しているかどうかを確認することも可能だ。そこで得られた消費者の声を商品開発に反映させ、改良を行う。

ただし、テストマーケティングを行うことで、競合他社に新製品の情報が漏れるリスクもあるため、テスト・マーケティングの実施と反応測定は、迅速かつ的確に行う必要がある。

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 ステップ5 新製品を製品化して市場に参入する

新しい製品を市場に参入させるためには、まず製品化が必要となる。製品化に成功したら、市場に参入し、競合他社との競争に挑むことになる。市場参入で重要なことは、販売促進を行い、継続してマーケティング活動を行うことである。

 新製品の製品化

試作品で得られたフィードバックを反映させた製品化を行う。製品化するには、デザインやパッケージを決定し、安定した供給が行えるよう生産体制を整える必要がある。

 市場に参入

新製品をもとに市場に参入するためには、マーケティング計画を基に、確実な戦術を立てて実行し、事業基盤を築くことが大切だ。また、開発プロセスの中で問題が発生した場合は迅速に対処し、仮説を練り直しながら、目標達成のための戦略を洗練させていかなければならない。このように、確実な計画と適切な戦略の修正によって、新製品の市場参入が成功する可能性が高くなる。また、後から参入してくる競合他社に埋もれてしまわないように、自社の商品の特長をアピールし続ける必要もある。

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 製品開発のポイント

製品開発の際のポイントには以下の3つがある。

・製品の意義や達成すべき目標を明確化する
・ロードマップを描く
・効果検証を続ける

 製品の意義や達成すべき目標を明確化する

製品開発においては、「なぜこの商品が必要なのか」という核心的なテーマを明確化し、社内で共有することが非常に重要となる。製品開発の過程で、社内の意識を高めることができるため、チーム全員が目標に向かって協力して取り組むことができる。

 ロードマップを描く

製品開発では、製品の開発方針を示すロードマップが必要だ。このロードマップは、開発の優先順位を決定する際に取り組むべき主要なテーマに基づいて作成しなければならない。期限よりも価値の提供や製品目標に対応した主要な指標に重点を置くことが大切であり、これに基づいて「どの程度の資金を投入すべきか」を判断することが重要となる。また、新商品の販売が開始された後、どの程度の期間で開発に投入した資金を回収することができるか見極める必要もある。

 効果検証を続ける

製品開発では、リリース後も市場の反応を確認しながら調整を続けることが必要だ。リリースはゴールではなく、商品力を最大限に引き出すためのスタートラインと考えるべきである。売上が伸びなかった場合には、検証を行い改善策を見つけ出すことが重要。この検証は、さまざまな角度から行われるべきであり、PDCAサイクルを回し続けることで、商品開発の精度を向上させ、ノウハウを蓄積していくこととなる。

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 まとめ

製品の完成度の高い売れる製品を作るためには、市場性のあるアイデアと明確なコンセプト作り、また戦略的な販売計画が必要だ。そのためには、自己満足的な製品開発とならないように市場や顧客に関する情報を集め、顧客価値を理解したうえで開発を行うことが重要なポイントとなるのだ。

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