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KJ法をわかりやすく解説!KJ法を使ってアイデアを出す手順

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KJ法は、数多くの情報やアイデアを効率よく整理することができる手法である。膨大なアイデアをグルーピングしてまとめることで、現状の問題把握や特定、アイデアの創出などに活かすことができる。この記事では、KJ法のやり方やメリットなどについて解説する。

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 KJ法とは

KJ法とは、1967年に文化人類学者の川喜田二郎氏が著者『発想法』の中で提案した、断片的な情報を効率的に整理する手法のことだ。KJ法という名前は、この手法を考案した川喜田氏の名前から名付けられている。

この手法では、付箋などの小さい紙にアイデアなどを記入していき、それらをグループ分けして整理する。もともとは文化人類学で膨大な情報を効率的に整理するために生み出された手法であったが、情報を整理する過程で新たなアイデアが生まれる効果があったため、アイデア発想の手法としても活用されるようになった。

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 KJ法を活用するにはブレインストーミングを実施する

KJ法は、膨大な対象を効率よく整理するための手法であるため、その前提として情報やアイデアが既に複数ある状態でなければならない。情報やアイデアを事前に洗い出す代表的な手法であるブレインストーミングとの相性も良いため、しばしば併用される場合が多い。

そのブレインストーミングについて簡単に説明する。

 ブレインストーミングのやり方

ブレインストーミングでは、特定のテーマに関して、参加者が自由にアイデアや意見を出し合うことで多様な発想が生まれる。立場にかかわらずさまざまな意見を集めることで、問題解決の糸口が見つかりやすくなる。参加者は多くとも10人以下が理想的であり、なるべく異なるバックグラウンドや視点を持つ人々が参加することで、より効果的な結果が得られる。

テーマが設定された後、参加者は順番に発言しアイデアを出し合う。出されたアイデアは、付箋やカードなどに簡潔にまとめて、それをホワイトボードや紙に貼ることで、後でいつでも参照できるようにする。出されたアイデアに対する反対意見や提案も新しく書き足していくと良い。

 ブレインストーミングのルール

ブレインストーミングでは、多様な意見を取り入れて新しいアイデアを生み出すために、より多くの意見やアイデアを出すことが求められる。そのため、アイデアに対する否定的な意見は控え、思いついたアイデアを発言しやすい雰囲気を作ることが推奨される。また、アイデア出しの段階ではあまり熟考して発言するのではなく、積極的な発言を心がけることが大切だ。

ブレインストーミングの詳しいルールやポイントについては、以下の記事を参照していただきたい。
関連記事:「ブレインストーミングの効果的なやり方とは?

 KJ法のやり方

いくつかの意見やアイデアが出揃ったら、それらをKJ法を用いて整理する。ここではKJ法の具体的な進め方について解説する。

 アイデアをカードにする

出された多くの意見やアイデアを簡潔にまとめ、カードなどに書き出して可視化を行う。この段階では、アイデアの内容を詳細に検討する必要はないが、次の段階であるグループ化の段階をスムーズに進めるために、アイデアを明確にまとめておくことが重要だ。また、すでにブレインストーミングなどでアイデアが付箋などに記されている場合は、そのまま利用することができる。

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 カテゴリをグループ化する

前段階で作成したカードなどを使用して、関連するアイデアをグループ分けする。最初にカテゴリーを作成するのではなく、類似する意見をまとめておき、それに見出しをつけるやり方の方がやりやすいだろう。また、カードをテーブルなどに並べて、意識的に広い視点を持って分類することがポイントである。

グループ分けの際には、1つのグループが10枚以上の大きなグループになった場合、そのグループの中でさらに小さなグループを作成する。また、共通点を見つけにくいアイデアについては、無理にどこかのグループに組み込まずに個別に置いておいて構わない。

 図解化する

グループ分けを行った後、各グループやカードごとの関連性について図解化を行う。図解化によって、アイデアの関連性を可視化し、論理的な整理が可能となる。

図解化のイメージ

関連性の高いグループは近くに配置し、矢印を使用したり、線で結んだりすることでカード同士の関わりを明確に示すことができる。因果関係や相互関係、対立関係、原因や結果など、一目で理解しやすいかどうかを念頭に置いてまとめていくことが大切だ。

 全体を文章化する

図解化が完了したら、各グループやカードの関連性について文章化する。その際は、これまでの過程を反映させるため、カードに記された文言や単語などをできる限り用いることがポイントである。関連性を文章化するときは、カード同士の関連などを見てきた細かな視点から、広く全体を見渡す視点へ切り替える必要がある。
文章化の過程で、グループの優先順位や内容、関連性について議論を重ねたり、アイデア同士を結ぶための補足的な言葉を考えることで、アイデアが洗練され、新たな考えや視点が生まれる。この段階は新たなアイデアを発見する上で非常に重要なステップであり、文章化の工程を丁寧に行うことがとても重要だ。

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 KJ法のメリット

ここでは、KJ法が持つメリットについて解説する。

 論理的にまとめられる

KJ法の大きなメリットの一つとして、論理的にまとめられる点が挙げられる。KJ法は、特定のテーマや問題を異なる観点から分析し読み解いていく手法だ。そのため、複雑に絡み合った問題を分解し、整理することに適している。問題に関する情報同士の関係性を明確にし、多くの情報を整理することで論理的な問題解決が可能になる。KJ法によるグループ化や図解化によって、問題の本質が浮かび上がり、問題解決のために必要な要素も見えやすくなるだろう。

 アイデアを可視化できる

KJ法の別のメリットにはアイデアを可視化できる点が挙げられる。考えついたアイデアを視覚的に形にして整理することができる。たとえ奇抜な発想であっても、目に見える形で場に残すことで、その後のグループ化などの段階で深く掘り下げ、アイデアの価値を高められる可能性がある。また、意見やアイデアの可視化により、メンバー間での共有が容易になり効率化につながる。さらに、多くのアイデアを同時に検討するため、全体を俯瞰して見やすくなる。物事の関係性を理解することで、効果的なアイデアを生み出すことにもつながるだろう。

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 KJ法のデメリット

一方で、KJ法にはデメリットもある。たとえば、「アイデアをたくさん用意する必要がある」という点が挙げられる。

KJ法では、既にある多数のアイデアに対して、それらのアイデア同士の関連性を明確にしていくことで、問題の本質を把握しやすくしたり、新たなアイデアを生み出すことができる手法である。少ない情報量でKJ法を用いたとしても、有益な洞察が得られる可能性は低い。KJ法の有効性は用いるアイデアの数や内容に大きく依存し、アイデアの質は参加者に依存する。メンバーの特性や思考スタイルなど、参加者の傾向に偏りがある場合は、期待するような効果を得ることが難しい可能性がある。こういったことに留意して、あらかじめ多角的な情報やアイデアを収集することが重要なポイントとなる。

KJ法のデメリットを理解した上で、より効果的に活用するための工夫を考えるようにしたい。

おすすめ記事:「筋の良いアイデアの考え方とは?新規事業の手引き

 まとめ

KJ法は膨大な情報を整理し、関連性を考慮する手法である。新たなアイデアの創出や、問題を広い視点から考える際に有用だ。KJ法を効果的に活用して、アイデアを生み出すことやアイデアの質の向上に活かしてほしい。

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