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製造業
情報の整理やアイデアの拡張、課題の洗い出しなどで用いられるフレームワークの1つ「マインドマップ」。近年は、マインドマップ作成ツールやアプリなども登場しており、ビジネスシーンだけでなく、研究開発や学習など幅広いシーンで活用されている。本記事では、マインドマップの効果やメリット、書き方などについて解説していく。
アイデアの発想には考え方のポイントがある!
筋の良いアイデアを生み出すための3ステップをご紹介
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目次
マインドマップとは、頭で考えているアイデアや情報を、1つのキーワードを軸に放射線状に描写する思考方法だ。マップの中心にはキーワードとなる課題やテーマを記載し、そこから関連するアイデアや言葉を放射線状に書いていくため、脳の動きを具現化でき、ビジネスのブレインストーミングや研究分野の技術開発など幅広い用途で使用されている。
マインドマップの起源はとても古く、3世紀に活躍したギリシアの哲学者、ポルピュリオス氏が考案した「ポルピュリオスの樹」まで遡る。当時は、もちろんマインドマップという言葉はなかったものの、レオナルド・ダ・ヴィンチ氏、トーマス・エジソン氏、アルベルト・アインシュタイン氏なども自らアイデアを出す際に、ノートに似たような描写を記載していたとされている。
その後、1970年代に活躍したイギリスの教育者のトニー・ブザン氏が提唱したことで、マインドマップは広く一般に浸透した。その後、ブザン氏はマインドマップの第一人者となり、マインドマップの商標を取得している。
従来、マインドマップはノートや画用紙などに手書きで行うのが主流だったが、近年はマインドマップツールもあり、オンラインミーティング中などの場で双方向に対話しながらアイデア拡散・創出することも可能となった。
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ロジックツリーは、問題をツリー状に分類していき、解決や原因を探るためのフレームワークだ。それに対して、マインドマップは思考の可視化や新しいイメージ構築を目的としているため、根本の目的が異なる。
また、ロジックツリーでは、MECE(ミーシー)であることや、同一階層の要素は切り口や粒度を揃えなければいけない。しかし、マインドマップではMECEである必要はなく、階層も意識せず自由に連想し、要素をつなげていくことができる。
フローチャートは、業務プロセスやシステム処理の手順など、複雑な事象をわかりやすく整理し伝えるために開発された設計図のことだ。要素の配置は常に上から下、左から右へ、そして各ステップごとに標準化された記号を使用するなど、いくつかルールが存在する。マインドマップはフローチャートと異なり、記号や書き方などのルールはない。色やデザインを使用し、ボックス同士の関係性や感情などを自由に表現できる。
マンダラチャートは、株式会社ヒロ・アートディレクションズ代表の今泉浩晃氏が1987年に考案・開発したフレームワークだ。9×9の合計81マスにキーワードを記入することで、短時間で思考整理や新しいアイデアを創出できることから、事業戦略の立案や、研究開発における課題の可視化などにも役立つ。中央に目標や課題を記入する点は共通しているが、マンダラチャートは書く順番が決められており、枠を超えて自由に記述はできない。
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マインドマップはさまざまな種類があり、用途によって使い分けることがおすすめだ。ここでは3種類を紹介していこう。
主にプロジェクト戦略やプログラムの計画などに活用されるマインドマップのこと。「プランニングマインドマップ」とも呼ばれる。マインドマップの中心には求める成果が描かれ、その下には達成手段や課題が描かれる。
ライブラリマインドマップとは、体系的に情報整理するために使われるマインドマップだ。異なるソースからの情報を一体化し、漏れなくダブりなく分類するのに役立つ。
どのようにプロジェクトが進むかを示すために使われるマインドマップのこと。すべての要素がどう組み合わされているかを俯瞰的に見ることが可能となる。ディスカッションや、プレゼンテーションなどの場で活用できる方法だ。
このように用途に合わせたマインドマップの他にも、「放射状型」「右型」「ツリー型」「組織図型」などのように構造によってタイプ分けされたものもある。
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新規事業開発や研究開発の分野でも、マインドマップが利用されることが多い。では、具体的にどのようなシチュエーションで活かすことができるだろうか?
ホワイトボードに羅列したアイデアや、Excel・スプレッドシートに記載した情報からはユニークな着想を得にくいが、マインドマップを使うことで、多角的に自社の技術やノウハウを捉えることができ、結果的に研究開発や商品開発の元となるシーズの発見につながる。
新規事業開発においては常にさまざまな困難に直面する。問題が発生している原因が目標設定にあるのか、施策そのものなのか、当事者だと視野狭窄の状態となり、行き詰まってしまうことも多いだろう。マインドマップを使うと、まず頭の中で考えていることを整理・可視化できる。さらに、アウトプットしたアイデアを見て、さらなるアイデアが生まれやすくなるため、場合によっては思いもよらぬ解決策が浮かぶこともあるだろう。
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マインドマップを正しく活用すれば、思考の整理やアイデアの創出・発見など、さまざまなメリットや効果を得ることができる。
頭で考えていることを文章にしようとすると、思うように書き出せないという経験はないだろうか。マインドマップは、脳の自然な働きを活かしたフレームワークであるため、思考をスムーズに整理できる。
1つのテーマから放射線状に、さまざまな角度でアイデアを出すことができるため、発想の拡張ができる。新しい単語を元に、さらに新たなアイデアが浮かぶこともあるだろうし、既出の単語同士を結びつけて、思考を巡らせているだけでは辿りつかなかったアイデアを発見することもあるだろう。
フローチャートやマンダラチャートと異なり、ほとんどルールや制約がないため、視覚的に他のメンバーと共同して作業することも可能となる。常識にとらわれないアイデアや、発想を変えたいときに非常に有用だ。
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マインドマップは便利なツールだが、使い方を誤ると、かえってノイズだらけの情報を多く生み出すことになるため、注意をしなければならない。
マインドマップは自由に描くことができる。そのため、多くのアイデアをアウトプットすることができる。ときには思いもよらない思考や閃きが生まれるかもしれない。しかし先に述べたように、マインドマップは目的に沿っていくつかの型が存在する。目的があいまいな状態に進めると、正しいアイデアを得られず、結果、情報が増えて混乱する原因になる恐れもある。
マインドマップが完成すると、非常にカラフルで多くのアイデアを生み出せたという高揚感を得られるかもしれない。しかし、マインドマップは事業課題の解決や研究アイデアの創出など目的達成の手段でしかなく、作ることが目的化しないように留意しなければならない。
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最後に、マインドマップの書き方・作り方について解説する。新規事業や研究開発のアイデアで行き詰まったときに、ぜひ役立てていただきたい。
まずは、セントラルイメージ(主題)となるテーマを定義し中央に記述する。テーマはなるべく簡潔で短いものがベターだ。長すぎると多義的になり、共同作業する際に解釈の相違が生まれるからだ。
次に、主題から枝(ブランチ)を広げていく。メインとなるブランチは人の記憶できる数を考えると、6〜7本までが良いとされている。できるだけ抽象的なアイデアから徐々に具体化させるように記載しよう。
メインブランチから、さらにブレイクダウンさせるためにアイデアを書き足していく。メインブランチから書き足すものを「サブブランチ」と呼ぶことがある。階層ごとに色分けをしておくと階層構造が明確になり、情報を整理しやすくなるのでおすすめだ。
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他のフレームワークと同様に、マインドマップはあくまで課題解決やアイデア創出のための手段でしかない。どんな課題にも効く“特効薬”ではないことを肝に銘じていく必要があるだろう。
特に、中心に記述するテーマはとても重要だ。肝心のテーマがずれていると、的外れの解決策やアイデアを多く出すことになるからだ。適切な方法で進めれば、マインドマップは新規事業や研究開発において、とても心強い武器となる。ぜひ、新規事業や新製品開発などの際に、活用してみて欲しい。