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注目の次世代技術は?未来の市場を担う技術の調査方法を比較!

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世界中で新しい技術の研究・開発が行われ瞬く間に進歩していくなか、新しい時代を築くような次世代技術の創出は、企業成長を考える上でも欠かせない。この記事では昨今注目されている次世代技術のご紹介と、次世代技術を見つける方法についても解説する。

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 次世代技術がなぜ重要なのか

次世代技術の開発投資の有無は、将来の業績の明暗を分ける可能性が高い。競争優位性を確立できる技術を早期に見つけ磨き上げ、自社の独自性に繋げることができれば、将来の収益も結実してくるだろう。

次世代技術創出を収益に結びつけた例としてトヨタを挙げよう。2020年3月期における国内自動車会社の営業損益は、トヨタの一人勝ちともいえる結果であった。トヨタの2兆円を越える収益は、その他の6社の収益の合計の2倍以上であったのだ。トヨタは他社よりも早く、低燃費技術に目をつけていた。また、自動車製造における低コスト化について早期から取り組んでいる点も他社との競合優位性を発揮している。

このように、次世代技術に早期から着目し取り組むことで、将来の収益に大きな影響が出るのだ。

 注目される次世代技術

近年注目されている主な次世代技術について、以下の3分野に分けて解説する。

・次世代ロボット分野
・高度情報処理分野
・環境エネルギー分野

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 次世代ロボット分野

ロボットの明確な定義はないが、ロボット政策研究会報告書(平成18年)では「センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義している。要するに、人の代わりにある程度自律的に作業が行える機能を有するものということだ。情報処理技術の発展と少子高齢化社会の人手不足の深刻化により、今後ますますロボットのビジネス活用は進んでいくと予想される。ここでは、ロボット分野に関わる次世代技術について2つ紹介する。

 AI(人工知能)

AIとは人工知能のことで、アーティフィシャル・インテリジェンス(artificial intelligence)の略である。言語理解や推論、問題解決などの知的行動をコンピュータに行わせたり、コンピュータによって知的な情報処理システムの設計を行わせたりする。大量の学習データから特徴や規則性を見つけ、目的を実行する。AIは「音声認識」「画像認識」「自然言語処理」「異常検知」「検索・探索」「分析」「予測」などが可能であり、この技術によって単純な認識を伴うような業務の効率化が行える。

また、ロボット技術や他の技術と組み合わさることで、さまざまな分野での活用が期待されている。すでに自律移動型警備ロボットや、倉庫内ピッキングを行う自律走行ロボットが実用化されている。

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 マイクロロボット

マイクロロボットとは、極小サイズのロボットのことをいう。マイクロロボットは省エネルギー、省スペース、省素材のため、環境に優しいテクノロジーとして注目が集まっている。極小サイズのため、既存のロボットや人間には不可能な狭い場所での作業が行える点が最大の利点として挙げられる。今後、具体的な開発の結果として、水中の細菌の検出・除去、人の体内に入って薬剤を直接届けることや、腫瘍除去などが期待されているが、現在マイクロロボットはまだ実用化に至っていない。

しかし既に南カリフォルニア大学において開発された自律型ロボット「RoBeetle」は、重量88g、全長15ミリで、自身の重量の2.6倍の重さのものを運び、2時間動き回ることが可能である。また、米ノースウェスタン大学に所属するジョン・ロジャースら研究チームによって、幅0.5ミリの史上最少のロボットの開発が2022年5月25日に発表された。このロボットは遠隔操作によって地面を歩行できる。

マイクロロボットは、今後の更なる発展、開発が期待されているテクノロジーだといえよう。

針の穴を通過するサイズ / Credit:John Rogers(Northwestern University)_Tiny robotic crab is smallest-ever remote-controlled walking robot(2022)
https://news.northwestern.edu/stories/2022/05/tiny-robotic-crab-is-smallest-ever-remote-controlled-walking-robot/?fj=1#tab-panel1

 高度情報処理分野

こちらは単なる情報処理・情報蓄積だけではなく、さまざまな分野の知識を有機的かつ高度に統合して情報処理を行う分野だ。高度情報処理分野における注目すべき技術をここでは2つ紹介する。

 MI(マテリアルズ・インフォマティクス)

MIはマテリアルズ・インフォマティクス(Marerials.Infomatics)の略であり、AIの機械学習やビッグデータなどの情報処理技術を活用して新材料・新素材を効率的に探索や開発を行う取り組みだ。MIは機械学習のみならず、シミュレーション、クラウド、IoTなど、さまざまな技術が統合されて成り立っている。

MIにより、通常何十年もかかる素材開発をわずか数年で達成できるようになる。これは、原子配列や電子配置などの物性特性を高精度に計算したデータベース・機械学習の活用や、過去の実験やシミュレーションデータを学習させた探索アルゴリズムの利用により、最適な組み合わせを短時間で導き出すことができるためだ。新素材開発を短時間で安価に行えるようになるため、発達が期待できるといえよう。

 量子コンピュータ

量子コンピュータ開発は、GoogleやAmazonも取り組みを進めており、国内では東京大学との共同研究に日本IBMやトヨタ自動車などの著名企業が参画している。

量子コンピュータは、量子力学の応用により、高度な並列処理が可能になるため、従来コンピュータを大幅に上回る処理速度が実現できる。膨大な組み合わせパターンからスピーディに最適解を見つけ出すことができるようになる。このことから、ビッグデータ解析による自動車の交通渋滞を解消する開発ができるのではないかと期待されている。

 環境エネルギー分野

環境負荷のかからないエネルギー技術の開発は現代において喫緊の課題であるといえるだろう。枯渇性エネルギーである石油や石炭からの脱却は、日本のみならず全世界での問題である。その中でも特に注目度の高い、次世代エネルギーとしての「水素」と「人口光合成技術」の2つについて解説する。

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 次世代エネルギー「水素」

次世代エネルギーとしてさまざまなものが挙げられているが、その中でも「水素」に対する期待値は高い。水素エネルギーは使用してもCO2を排出せず、大気への影響を抑えられる。また、水素は水以外にも石炭やガスなど、多種多様な資源から作り出すことができるため、その点も大きな特徴であるといえる。

日本は現在90%以上の一次エネルギーを海外から輸入する化石燃料に頼っているため、エネルギー安全保障の観点からも課題を抱えている。水素を代替エネルギーとして使うことができれば、エネルギーコストの抑制、エネルギー調達先の多角化に繋げることができるだろう。

水素エネルギーの活用例としては、トヨタの燃料電池車「ミライ」が挙げられる。ミライは、酸素と水素を燃料電池に取りこんで電気を作り、モーターを動かすことで駆動している。

 人工光合成技術

光合成は、植物が太陽エネルギーを利用してCO2と水から有機物と酸素を生み出すことだ。人工光合成とは、太陽エネルギーとCO2で化学品(有機物)を恣意的に作り出す技術だ。化石燃料を使用する場合と比べ、CO2の排出量を大幅に抑えられる、CO2を原材料として使用するため大気中のCO2削減につながるとして、カーボンニュートラルに向けて大きく貢献ができると期待されている次世代技術である。

例として、水に対して人工的な触媒(光触媒)を用いて、水素だけを取り出し、水素にCO2を合わせて化学合成を促して、プラスチック原料などになる「オレフィン」を作り出す技術がある。現在、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が支援する産官学連携のプロジェクトにおいて研究が進められている。

経済産業省 資源エネルギー庁「CO2を“化学品”に変える脱炭素化技術「人工光合成」」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/jinkoukougousei.html

 次世代技術の探し方とは?各調査方法のメリット・デメリット

次世代技術はさまざまな分野、領域で日夜研究が進められており、その情報量は膨大である。その中から、自らの研究・業務に即した技術を見つけ出すのにはコツが必要だ。ここでは具体的な調査方法及び、それぞれの調査方法のメリット・デメリットについて解説する。

 ①特許/論文情報

登録された特許や発表された論文を元に調査する方法である。

【メリット】
全世界に向けて公開されているため、全ての論文・特許情報にアクセスすることができる。それぞれの内容について詳細も閲覧することができ、興味のある分野の研究者の所属などもわかるため、直接コンタクトを取る術を確保できる。

【デメリット】
特許が出願されてから公開されるまで1年半のタイムラグが発生する。また、キーワード検索が中心のため得られる情報の範囲が限定的になってしまう恐れがある。たとえば、無人航空機体である「ドローン」を検索した場合、同じ意味であるマルチコプターなどを取りこぼしてしまうことや、カードローンなどの意図しないものを拾ってしまう可能性があるためだ。さらに、論文や特許には想定される用途への言及が少ないものが多く、その技術が実際にどのように応用化、事業化されるのかを予測するのは難しい。

 ②学会や研究開発系メディア

興味のある分野の学会への参加や、研究開発系メディアの既に編集された情報にアクセスする調査方法である。

【メリット】
数多の技術情報の中から、知見者や編集者が注目すべきニュースを取り上げてくれるため、効率的に情報を得ることができる。業界知見者や編集者による解説があるため、専門分野でなくても情報が分かりやすい。

【デメリット】
メディアによって選定された情報のみ掲載されるため、アクセスしたい情報を読み逃してしまう可能性がある。また、メディア自体の多様化も進んでいるため、詳細な情報を集めるためには複数メディアに渡り確認する必要がある。

 ③「Anews」「Astrategy」

ストックマークが提供するサービスでAIの自然言語処理を利用した調査方法である。

【メリット】
検索したキーワードだけでなく、そのキーワードに関連する記事をAIがおすすめしてくれる。また、キーワードに対する企業ごとの取り組みを並べてみられることで用途開発の事例が確認できる。オープンデータの分析・構造化により、技術や市場の変化の兆しを捉えることが可能になる。

【デメリット】
詳細な論文及び特許情報を確認したい場合は、別のプラットフォームの閲覧が必要になる。
(※プロダクトのアップデートにより、論文と特許も同じプラットフォームからご確認いただけるようになりました。)

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 まとめ

将来の収益を確保するためには次世代技術の早期発見と開発は必要不可欠である。また、次世代技術は世界各地で目まぐるしく発展しており、日進月歩で進展する技術の動向を捉えるためには、スピーディかつ効率的な情報収集が重要だ。

情報のキャッチアップ方法はさまざまであるが、時勢に遅れることなく、正しい情報を取得できるかどうかがポイントである。膨大な情報が渦巻くなか、本当に必要な情報を必要なときに手に入れる方法を確立しておく必要がある。

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参考記事

・新型コロナの影響が表面化した自動車・重工の決算、今後深刻さ増すとの予想も

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04249/

・「水素エネルギー」は何がどのようにすごいのか?

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiso.html