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半導体の種類について|原料や材料にはどんなものが使われている?

半導体の種類について|原料や材料にはどんなものが使われている?

電子機器であふれる昨今に欠かせない物質「半導体」。パソコンやスマートフォン、さらには自動車、エアコンなど、我々が身近に使用している大半のものに使われている。半導体というと、ICチップやトランジスタそのものを指すケースも存在するが、厳密に解説すると実にさまざまな種類の半導体が存在している。本記事では、半導体で使用される原料、さらに半導体の種類について紹介したい。

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 半導体とは?

半導体とは、電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」の双方の性質を併せ持った物質を指す。もっとも広く用いられているのはシリコン(ケイ素)だが、それ以外にもセレンやゲルマニウム、ガリウムなどさまざまな原料や材料の半導体がある。ちなみに、ICチップ(集積回路)やトランジスタを半導体とよぶこともあるが、正確には「半導体でできた電子部品」のことだ。

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 半導体で使用される原料・材料・素材

半導体で使用される原料・材料・素材には、実に多くの種類が存在する。

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 元素半導体(シリコン・セレン・ゲルマニウム)

元素半導体とは、1種の元素から作られる半導体のこと。かつて半導体はゲルマニウムを主な材料としていたが、現在は、コストが安く高純度化が可能などの観点から、シリコン(ケイ素)が主流となっている。元素半導体の材料としては、他にセレン(Se)やゲルマニウム(Ge)などの物質がある。

近年は、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)をも凌駕する省エネ性や耐久性をもつ合成ダイヤモンド(C)を使った半導体の研究も進んでいる。

 化合物半導体(炭化ケイ素・ガリウム・インジウム)

化合物半導体とは、2つ以上の元素を化合させて構成される半導体を指す。なかでも注目されているのが、パワー半導体の材料である炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)だ。

そのほか、カドミウムテルライド(CdTe)は光検出器や太陽電池に、ヒ化ガリウム(GaAs)は衛星通信関連機器などに用いられている。なお、化合物半導体は元素の周期表における「族」の組み合わせで、大きく3つに分類される。

III族-V族リン化インジウム(InP)、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化ガリウム(GaAs)など
IV族-IV族炭化ケイ素(SiC)など
II族-VI族カドミウムテルライド(CdTe)など

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 半導体デバイスの種類

先人の知恵によって、これまで数多くの半導体を用いた電子部品が登場してきた。ここでは、WSTS(国際半導体市場統計)による定義に基づいて分類する。

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 ディスクリート(個別半導体素子)

ディスクリートとは、英語で「個別」「別々の」という意味をもつ言葉だ。単独の機能を有する半導体を指す。個別半導体とも。代表的なものにダイオード、サイリスタ、トランジスタなどが挙げられる。

 ダイオード

一方向に電気を流し、逆の向きには流さない電子部品のこと。自動ドアの開閉やパソコンの電源ランプなどに使われている。

 トランジスタ

電気信号を増幅したり、スイッチングしたりするなど、電流をコントロールする部品を指す。パソコン、電子レンジ、テレビなど、多くの電子機器にとって必要不可欠な存在だ。

 サイリスタ

トランジスタと同じく電流を制御する電子部品のこと。直流と交流をスイッチングして電流制御を行う。トランジスタのような増幅する機能はないが、大電流を通電させるスイッチとして広く用いられる。主に、電車のモーター制御、家庭用のインバーター発電機、テレビの電源装置などに使われている。

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 IC(集積回路)

集積回路とは、コンデンサ、ダイオードやトランジスタなどのディスクリートを一枚の基板に載せたチップを指す。英語では、IC(Integrated Circuit)。日本では、主にICチップという名称で呼ばれることが多い。ICには、さらにロジックICやアナログIC、メモリなど、用途によって細かく分類されている。

 ロジックIC

デジタル信号を処理し、論理演算を行うICを指す。論理素子とも。スマートフォンやパソコンなどに搭載されているCPU(中央処理装置)や、DSP(デジタル信号プロセッサ)などが有名。

 アナログIC

音や光、温度、圧力、振動など数値化ができない物理的な変化をアナログ信号として捉え、処理するICのこと。代表的な種類としては、A/Dコンバータ、オペアンプ(演算増幅器)などがある。

 マイクロプロセッサ

マイクロプロセッサとは、コンピュータの演算や記憶、制御、入出力などの機能を1つの基板に集積したものをいう。それだけで中央処理装置として機能するような大規模な集積回路。

 メモリ

情報の記憶や保存、読み取り、書き込みをするための集積回路のこと。通電時のみ一時的に記憶を保持できる揮発性メモリ「DRAM」や、SSDやUSBメモリ、SDカードなどに用いられている不揮発性メモリ「NAND」などがある。

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 センサ

音や光、温度・湿度・圧力など、人が五感で感じる現象を外的信号を通して感知し、電気信号へと変換する半導体を指す。温度センサ、磁気センサ、近接センサ、圧力センサ、などが挙げられる。

 オプトエレクトロニクス

光信号の検出と、光信号を電気信号に変換・増幅・変調またはその逆を行う機能を有する半導体製品。発光デバイス(LED)、光複合デバイス、光通信デバイス、受光デバイス(フォトダイオード)などが挙げられる。

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 まとめ

2024年は、日本において半導体工場の建設ラッシュの年でもあり見通しは明るい。半導体の材料においても、シリコンに次いで炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、さらにはダイヤモンドなど、さまざまな素材の開発が進んでいる。

生成AIや電気自動車などの普及・推進によって、ますます半導体に注目が集まっているだけに、今後も半導体における最新技術から目が離せない。