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新規事業の立ち上げに役立つフレームワーク9選!効率的に思考を整理し事業構築を目指す

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新規事業開発を行う際には効率的で論理的な思考が必要不可欠である。新規事業開発において、広い視野と多角的な見方ができなければ、新規価値創出に繋がるアイデア出しや事業化へのプロセスを導くことはより困難となるだろう。

この記事では、新規事業開発を進めるにあたって役立つフレームワークをいくつかご紹介する。フレームワーク活用の際のポイントと合わせて、是非ご自身の業務に役立てていただきたい。

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 新規事業について簡単におさらい

フレームワークをご紹介する前に、新規事業の目的や立ち上げプロセスについて再確認する。

 新規事業開発の目的

新規事業開発は企業の存続の明暗を分ける重要な要素である。事業にもライフサイクルがあり、今どんなに好調な事業でもいずれは衰退期が訪れる。そのため、現在主軸となっている既存事業が安定している間に、次の時代を牽引できる事業を見出さなければならないのだ。また、新規事業開発は、将来的に経営の中心人物となる社員の社内育成の側面もある。これは、実際に新規事業をアイデアから産業化させるプロセスを経験させることで、経営について実地で学ばせることができるためである。

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 新規事業立ち上げのプロセス

新規事業立ち上げのプロセスは、大きく簡単に分けると以下のようになる。

課題やアイデアの発見は、新規事業を立ち上げるにあたり、最も欠かせないプロセスである。顧客の課題が見えていなかったり、顧客価値につながるような魅力的なアイデアを創出しなければ、新規事業の成功はまずあり得ないといえるだろう。アイデア出しの後は、アイデアの方向性や顧客に提供できる価値に市場性や事業性があるかどうかの検討を行う。いかに性能のいい商品であっても購入してくれる顧客がいなければ収益を上げることができないからだ。アイデアの市場性や事業性の確認ができたら、事業計画を策定し、具体的な行動の計画を立てることになる。最後のステップであるロードマップや行動計画策定を行うためには、アイデアを具体化しておく必要があり、その前段階でフレームワークを用いて思考を整理しておくことが重要なのだ。

新規事業のプロセスについて、詳しい解説はこちらの記事を参考にしていただきたい。

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 フレームワークを使用するメリット

フレームワークを新規事業立ち上げの際に使用するメリットには、以下の3点が挙げられる。

フレームワークとは、思考の枠組みのことであり、整えられたフレームに現在の状況や目的などを当てはめていくことで分析や状況把握が容易になる。ゼロベースで闇雲に思考するよりも圧倒的に素早く、効率的に思考をまとめることができる。さらに、フレームワークでの分析は視覚的にも分かりやすい場合が多く、他者との共有がしやすい点もメリットだ。ひと目で現状や取るべき戦略がわかるということは、スピーディかつブレることなくメンバー間で認識の共有が行えるため、業務の円滑化を促せる。

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 新規事業で役立つフレームワーク

新規事業において思考を整理するために役立つフレームワークについて、立ち上げプロセスの「課題やアイデアの発見」「市場性・事業性の検討」の各段階に分けてご紹介する。

 課題やアイデアを見つけるために有効なフレームワーク

質の良いアイデア出しは新規事業開発を進める上で必要不可欠だ。また、アイデアの創出は多産多死が前提だが、効率化や事業化を見据えるのであれば質の高いアイデアがどれだけあるかということが重要になる。

ここではアイデア創出のフェーズで役に立つフレームワークを3つご紹介する。

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 マンダラート

マンダラートの名称は仏教の曼荼羅に由来する。マス目にアイデアを次々と書き込むことで、アイデアの拡大や整理を行うことができる。タテ3マス×ヨコ3マスの表を作成し、真ん中のマスにメインテーマを記入する。残りの8マスには、テーマから連想した要素を記入し、マスを全て埋める。埋めたマスの中から要素をピックアップし、新たなタテ3マス×ヨコ3マスの表の真ん中に選択した要素を記入する。後は残りの8マスに、先ほどと同じようにマスを埋めていく。これを全部のマスで繰り返し、81マス全てを埋める。81マス埋めるためにアイデアを捻り出すため、抜け漏れが防止できること、単独による作成だけでなく複数人で共同することで多様性のある施策を検討できるメリットがある。

マンダラートの詳しい解説はこちらの記事を参考にしていただきたい。

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 SCAMPER(スキャンパー)法

SCAMPER法は、アイデアに対して7つの切り口から再考することで、別の角度でアイデアを検討できるフレームワークだ。アイデアの拡張や量産に向いている。SCAMPERとは、Substitute(代える、代用する)、Combine(組み合わせる)、Adapt(適応させる)、Modify(修正する)、Put to other uses(ほかの使い道を考える)、Eliminate(省略する、除去する)、Reverse/Rearrange(逆転/再調整する)の7項目の頭文字が取られている。オズボーンのチェックリストが改良された思考法である。

SCAMPER法の詳細についてはこちら

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 トリーズの9画面法

トリーズ(TRIZ)とは、思い付いたアイデアの具体性を向上し、より質の高いアイデアとすることができる思考法だ。タテ3マス×ヨコ3マスの表を作成し、ヨコの軸を時間(過去、現在、未来)、タテの軸をシステム(上位システム、考察対象のシステム、下位システム)という空間軸でそれぞれのマスの設定をする。上位システム、考察対象のシステム、下位システムの考え方は、考察対象からみて上位が広いマクロでの空間、下位が狭いミクロの空間へと視点を絞って考える。たとえば、考察対象をEV自動車としたら、上位は自動車産業、下位はEV自動車を構成する部品というイメージだ。マスを埋める順番はどこからでも良い。アイデアの質を高めるためだけでなく、思考を整理し視覚的にわかりやすくなるため、アイデアを他者へ伝える際にも役に立つ。

 市場性や事業性を検討する際に活用するフレームワーク

創出したアイデアは本当に事業化することが可能なのか、事業化した際に成功することができるのかについて検討する必要がある。アイデアを正しく評価するためには、ターゲットとなる市場をよく理解していることが重要だ。

ここでは、市場を理解するための調査、分析に役立つフレームワークについて紹介する。

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 3C分析

3C分析とは、3つのCである「Customer/市場・顧客」「Company/自社」「Competitor/競合企業」のそれぞれの視点で分析するフレームワークだ。内部要因である「自社」と、外部要因である「顧客」「競合」の両面から分析を行うことで、偏りのない経営戦略を組み立てやすくなる。市場・顧客分析は、ターゲットとなる市場や顧客について、マクロやミクロの視点で分析し、顧客ニーズへの理解を深める。次に競合分析で、競合の売り上げや利益率、市場でのシェア率などの結果にまつわる情報と、その結果につながった要因を分析し、優れている部分を取り入れられないか検討する。最後に、これまで行った市場や顧客の分析と競合の分析を踏まえて自社分析を行う。競合の対応と自社のこれまでの対応を比較し、今後行っていくべきことについて検討する。内部要因を細かく分析することで、強みと弱みを見つける。

 STP

STPは、以下3つの単語の頭文字から取られており、自社や自社製品の市場における立ち位置の明確化に役立つフレームワークだ。

・segmentation(セグメンテーション)/市場の細分化
・targetting(ターゲティング)/参入市場の決定
・positioning(ポジショニング)/市場における自社立ち位置の確認

最初に、セグメンテーションで性別や地域などによる指標を用いて市場の細分化を行い、自社製品やサービスを購入してくれるユーザー像を明確にする。次に、ターゲティングで細分化した市場から市場規模や自社の強みが活かせるかどうか、製品やサービスの需要があるかどうかなどでターゲットとなる市場を絞る。最後に、ポジショニングで他社と比較しつつ、その市場における自社の立ち位置を明確化する。

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 ポジショニングマップ

ポジショニングマップは、STPのP「ポジショニング」を考える際に使えるフレームワークである。ポジショニングは、市場における自社の立ち位置を明確にすることであるが、これには競合との差別化ができていて、訴求ポイントが明確であることが必要である。ポジショニングマップは二次元マップを作成し、顧客が商品を購入する際に重要視する要素を2つ、タテ、ヨコの軸にそれぞれ当てはめて検討する。ポジショニングマップの作成により、差別化ができている企業、より競合の度合いが高い企業が一目で分かるようになる。

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 SWOT・クロスSWOT分析

SWOT・クロスSWOT分析のSWOTとは、「Strength/強み」「Weakness/弱み」「Opportunity/機会」「Threat/脅威」の頭文字から取られており、それぞれの要素について考えることで、自社の環境要因について思考するフレームワークである。プラス要素と、マイナス要素、内部環境、外部環境に分けて表を作成し、分析を加える。

クロスSWOT分析はSWOT分析を発展させたものであり、それぞれの要素について掛け合わせて検討をすることで多面的な分析が可能になるフレームワークである。

SWOTとクロスSWOT分析の詳細解説記事はこちら

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 4C・4P分析

4C分析は、顧客側の目線で考えるためのフレームワークである。顧客の商品購入までに大きな影響を与える以下の4つの要素を分析する

・Customer Value/顧客価値
・Cost/コスト
・Convenience/利便性
・Communication/コミュニケーション

4C分析によって、自社製品やサービスのマーケティング上での課題を再確認することが可能だ。

一方4P分析は、企業視点でマーケティング戦略を立てるためのフレームワークである。4つのPはそれぞれ以下の通りである。

・Product/製品
・Price/価格
・Place/場所
・Promotion/宣伝

昨今の市場動向として、いかに顧客ニーズに寄り添うことができるかによって、事業の成功の可否が大きく変わってくる。そのため、対となっている4C分析と4P分析を組み合わせ、顧客側の視点と企業側の視点の両面から分析を行うことが理想だ。

 5フォース分析

5フォース分析は、競合企業だけでなく業界全体の価格バランスの状況と収益構造を客観的に分析することで、自社が今後どれだけ利益を上げることができるのかを測る目的があるフレームワークである。フォースとは、自社を取り巻く競争要因のことであり、脅威を分析することによって、自社の業界における優位性を検討することができる。

この分析で見る脅威とは以下の5つだ。

・業界内の競合企業…自社を含めた競合数や各社の強み、資金力、業界全体の規模や成長率などを分析
・新規参入の脅威…市場規模、参入者の技術レベルや自社への影響力などを分析
・代替品の脅威…業界の外から来る代替品の脅威のことで、代替品の品質や価格などを分析
・買い手の交渉力…市場規模や競合他社と比べた価格設定などを踏まえて、無理な価格競争に陥っていないか、買い手市場となっていないかなどの分析
・売り手の交渉力…売り手(サプライヤー)の数などサプライヤーとの力関係の分析

 フレームワークを活用して新規事業を成功させるためのポイント

フレームワークを有効活用して、新規事業を成功させるためにはポイントがある。ポイントを押さえたフレームワークの活用で、多角的な視点と抜け漏れのない効率的な思考の整理を実現していただきたい。

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 フレームワークは複数組み合わせる

フレームワークを用いて分析を行う際は、複数のフレームワークを組み合わせて使用することをおすすめする。これは、視点が若干異なるフレームワークを複数用いることによって、多角的な視点となること、また、想定する状況が増えることによってより具体的に検討できることから、分析の精度が増すためである。組み合わせることで、より効果を発揮できるフレームワークも存在する。また、利用したフレームワークが考えたい課題にとって最良のものであるとは限らない。視点を変えてあらゆる検討を加えるためにも、複数のフレームワークの活用は必須だといえる。

 自社の理念やビジョンとズレがないか確認する

顧客視点や市場分析に立脚した事業構築や事業計画の策定はもちろん重要であるが、そもそもの自社の経営理念に沿ったものであるか、自社の将来的なビジョンとのズレがないかについては、常に確認すべきである。自社の経営理念と合致した新規事業でなければ、取り組む目的そのものや、事業を進める意義が曖昧になってしまい、目指す目標地点を見失ってしまうだろう。さらには、既存事業や自社技術との相乗効果も期待できなくなってしまうかもしれない。フレームワークを活用しつつも、常に自社の理念やビジョンに沿ったものとなっているか確認することをおすすめする。

 定量と定性の両軸から客観的な視点で分析する

フレームワークを使用する際には、必ず客観的な視点で分析しなくてはならない。分析を行う上で、思い込みなどのバイアスがかかってしまっていると、分析結果と現実の状況と齟齬が出てしまう。強い思い入れがあったとしても、客観的視点を心がけるべきである。

また、収集すべき情報は定量情報だけでなく、定性情報も重要である。定量情報は数値の情報であるため、仮説の検証や実態の把握に向いている。一方、定性情報は、言葉から得られる非数値データであり、仮説の構築や原因を把握するために欠かせない。具体的な数値などの定量の面と、抽象化された事情などの定性の両面から情報収集を行い、フレームワークに当てはめて分析を行うことで、客観的視点を持つことができる。

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 まとめ

フレームワークは新規事業の立ち上げの時に、思考の整理や分析を手助けしてくれる。段階や状況にあったフレームワークを選択し、複数を組み合わせて分析することで、より客観性の高い分析や情報を導き出すことができるだろう。さまざまなフレームワークが提唱されているが、自社の理念やビジョンに沿って、どのような目的で用いるのかを明確にし、いろいろと試してみることをおすすめする。